アルトコイン売却タイミングを把握できる「MVRV」とは?
暗号資産(仮想通貨)市場で利益を積み上げていくためには、適切なタイミングで売買を繰り返すことが必要不可欠だ。だが、アルトコインは流動性の低さによる高いボラティリティから、売却ポイントに悩む投資家が少なくない。
Xフォロワー1.4万人で仮想通貨オンチェーン分析ツール「CryptoQuant」のアナリストであるBurak Kesmeci氏は11日、アルトコインの売却タイミングを図る手段として、「MVRVデータによる1.0ポイント」に注目するよう自身のXで促した。
MVRV(Market Value to Realized Value)とは、仮想通貨の時価総額とその実現時価総額の比率を表す指標だ。実現時価総額は、市場参加者が実際に購入した価格に基づいて計算されるため、MVRVは市場の過熱度合いを図る際に最適な指標と言える。
- MVRVが1より低い場合:多くの投資家が損失を抱えている状態、買い場となる可能性がある
- MVRVが1より高い場合:投資家たちが利益を得ており、価格が過熱状態の可能性がある
Burak Kesmeci氏は各アルトコインのこれまでのデータに基づいて、適切な売却ポイントを設定するよう推奨している。また、MVRVだけで売却判断をするのではなく、他の指標や市場全体の状況も考慮する必要がある点を述べた。
MVRVによるアルトコインの売却戦略事例
Burak Kesmeci氏は自身のポストにて、2021年のAVAXを例にMVRVを活用した売却タイミング例を共有した。
当時のAVAXは勢いづいており、価格は5ドルから150ドルまで急騰。この期間、AVAXのMVRVは0.64から1.27までの上昇が見られている。過去のAVAXのMVRVを確認すると、1.11から1.5の範囲内で上昇が抑えられているのがわかる。

しかし、Burak Kesmeci氏は「MVRVが1.11を超えたからといって、保有しているAVAXを全て売却すべきではありません」と述べている。
MVRVはあくまで売却のシグナルとして捉え、段階的な売却戦略を立てるべきだと主張した。具体的には5段階から10段階といった、ある程度段階を重ねた売却により利益を最大化できる可能性があるという。
アルトコインに注目する投資家が増加しつつある
ビットコインは直近で価格を下落させてきたが、アルトコイン市場では上昇を見せる銘柄が少なくない。
大手仮想通貨取引所「Bitfinex」が9日に公開したレポートによると、ビットコインの直近のドミナンスが低下しており、アルトコイン市場でのシェアが増しているという。アルトコインの総建玉は減少傾向にあるが、投機目的ではなく投資目的としてアルトコインに注目している投資家が増えつつあると指摘した。
今後到来するかもしれないアルトコインの上昇相場で、MVRVは利益を拡大していくための有益なツールになり得る可能性がある。なお、アルトコインのMVRVは、オンチェーン分析企業「IntoTheBlock」やTradingViewのオープンソーススクリプトを活用することで確認できる。
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情報ソース:Burak Kesmeci氏公式X / Bitfinex公式ブログ