レイヤー2「Linea」を活用し、低コストで迅速な取引体験を実現
米ナスダック上場のフィンテック企業「CompoSecure(コンポセキュア)」28日、自己管理型のウォレット「MetaMask(メタマスク)」から直接支払いが可能となる金属製のデビットカードを発表した。2025年第2四半期に世界中で発売を予定している。
今回発表された製品は、メタマスクから直接支払いを行うことができ、銀行などの仲介機関を経由せずに取引が完結する仕様となっている。メタマスクは先月、米国デンバーで開催された「ETHDenver」において本カードを初めて披露していた。
新たなカードは、Mastercard(マスターカード)のグローバル決済ネットワークに対応し、従来のデビットカードと同様に使用できる。ユーザーはカフェでの支払いや航空券の予約、家賃の支払いなど、日常的な場面でメタマスクに保管している暗号資産(仮想通貨)をそのまま利用できる。事前に資金をチャージしたり、法定通貨への換金を行ったりする必要はなく、遅延や隠れた手数料も発生しないという。
支払い時には、スマートコントラクトがブロックチェーン上で取引の認証と承認を行い、5秒以内に決済が完了する。これにより、ユーザーは資産の管理権限を常に保持したまま決済でき、中央集権型取引所や第三者機関に資産を預ける際に生じるカウンターパーティーリスクを回避できる仕組みとなっている。
取引基盤には、イーサリアムのセキュリティを活用するレイヤー2ネットワーク「Linea(リネア)」が採用され、低コストかつグローバルな取引が可能となっている。
この新たな決済カードは、自己管理型ウォレットが抱えていた「使い勝手」の課題を大きく前進させる意義を持つと考える。仮想通貨の実利用を広げる一方で、自己保有・自己管理の理念を守るこの取り組みは、今後のWeb3社会において重要なインフラの一つとなるだろう。
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