ライトコイン創設者が取締役就任、GSRが財務戦略を支援
米医薬品企業の「MEI Pharma(MEIファーマ)」は18日、ライトコイン(LTC)を中核とする財務戦略を開始することを発表した。これに伴い、同社は私募による資金調達を通じて、約1億ドル(約148億円)を調達する契約を締結。調達資金は全額ライトコインの購入に当てられる予定だ。
今回の資金調達は、暗号資産(仮想通貨)投資会社の「GSR」とライトコインの創設者として知られるチャーリー・リー氏が主導投資家として参加し、ライトコイン財団、ParaFi(パラファイ)、Hivemind(ハイヴマインド)、Primitive(プリミティブ)、RLH Capital(RLH キャピタル)、Delta Blockchain(デルタブロックチェーン)、CoinFund(コインファンド)など複数の仮想通貨関連企業も参加した。
ライトコインは2011年10月にリー氏によって創設された仮想通貨で、長年にわたる稼働実績と高速な決済機能を特徴とする。ビットコインと構造が類似しており、ビットコインが「デジタルゴールド」と呼ばれるのに対して「デジタルシルバー」とも称される。創設以来100%の稼働実績を誇る最も長期間運用されているブロックチェーンの一つだ。
発表によると、取引完了後にはリー氏は同社の取締役会に加わる予定で、現在の取締役メンバーであるタヒール・ダトー氏が辞任する。また、GSRが財務運用アドバイザーとして任命され、ライトコイン財務戦略の実行を支援する。
リー氏は、「ライトコインは高速、安全、分散型として設計されており、MEIのような上場企業にこれらの原則が採用されることは非常に興奮すべきことだ」とコメントし、「このマイルストーンはLTCに対する機関投資家の信頼の高まりを反映するだけでなく、従来の資本市場での広範な採用への道筋を示している」と述べた。
MEIファーマ取締役会会長フレデリック・W・ドリスコル氏は、「我々の知る限り、バイオテクノロジー業界では初の試みであり、GSRとリー氏との革新的な上場企業財務戦略を先駆けることができて嬉しく思う」と述べた。
この取引により、MEIファーマは米国の主要証券取引所でライトコインを保有する唯一の上場企業となる。主要仮想通貨ではなく、上場企業による採用例がこれまでなかったライトコインを財務戦略の柱に据えた点は、MEIファーマの独自性を際立たせている。取引完了は7月22日頃を予定している。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148円)