イーサリアムのレイヤー2ソリューションを展開する「Mantle(マントル)」が、ブロックチェーンエコシステムの拡張を見据えた2つの戦略的統合を相次いで発表した。AI分野とミームエコノミーという異なる領域での提携により、マントルは単なるスケーリングソリューションを超え、次世代のデジタル経済基盤を目指す動きを鮮明にしている。
x402とクエストフローの統合、AIエージェントの経済活動をマントル上で実現
まず27日、マントルはAIエージェントの自律的な経済活動を支える技術「x402」と、AIエージェントを実際に稼働させるプラットフォーム「Questflow(クエストフロー)」との統合を発表した。
これにより、x402のエコシステムがマントルエコシステムに接続され、クエストフローを通じて自律的に稼働するAIエージェントを展開できるようになった。AIエージェントがブロックチェーン上で実際の経済活動を行う基盤が整備されたことで、マントルはAI駆動型の新たなアプリケーション層を生み出す土台を築くこととなる。
一方、マントル側の開発者やクリエイターもx402プロトコルへ容易にアクセスできるようになり、AIを活用したアプリ開発や新サービスの創出を進められる。この双方向の接続により、AIとブロックチェーン技術を融合させた新しいユースケースが広がることが期待される。取引や意思決定を自動化するAIエージェントが実社会に近い経済活動を行う構造がマントルでも現実味を帯びてきた形だ。
プリンターとの戦略的提携、ミームコイン市場の活力をマントルへ誘導
さらに29日、マントルはミームコイン領域で急成長中のマルチチェーン対応ローンチパッド「Printr(プリンター)」との提携を発表した。マントルは大手暗号資産(仮想通貨)取引所「Bybit(バイビット)」とならび、プリンターの主要戦略パートナーおよび投資家として参画することとなる。
今回の提携は、暗号資産市場で再び盛り上がりを見せる「ミームシーズン」を呼び込み、ネットワーク全体の取引量やアクティブユーザー数を拡大することを目的としている。既にマントル発のミームコインが市場で急速に拡大している事例もあるため、プリンターとの提携はトレンドを活かした戦略的な成長加速策といえるだろう。
なお、プリンターはポイント&紹介プログラムを実施しており、初期参加者に対して将来的なエアドロップの可能性を示唆している。こうした投資家を惹きつける要素を活用し、マントルがMNT保有者やネットワーク上で活発に活動するユーザーに対して、プラットフォーム利用に応じた追加価値を提供する可能性も考えられそうだ。
AIによる自律的経済活動と、ユーザー主導のミームエコノミーという二つの潮流を取り込むことで、マントルはブロックチェーンとしての新たな成長段階に差し掛かっている。マントルがどこまで新たなブロックチェーン経済の中心的存在へと発展していくのか、市場からの注目は今後とも集まりそうだ。
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