不具合の詳細は不明、現時点で資産への影響はなし
分散型CDP(担保付き債務ポジション)プロトコル「Liquity V2(リクイティV2)」は12日、「Stability Pool(スタビリティプール)」に潜在的な問題がある可能性を発表し、利用者にはスタビリティプールからの資産引き出しを推奨した。リクイティ公式Xによると、現時点でユーザー資産への直接的な影響は確認されていないという。
リクイティV2は、イーサリアム上で稼働する分散型の借入・ステーブルコイン発行プラットフォームであり、担保を預けることで独自のステーブルコイン「BOLD」を発行できる仕組みを持つ。また、エコシステム内では、ガバナンストークン「LQTY」がステーキングや報酬の分配に活用されている。
スタビリティプールは、借り手の清算時に発生する担保を割安で取得できるほか、支払われる利息の一部が預託者(Earn利用者)に還元される仕組みを備えている。今回の問題は、このスタビリティプールに関連している可能性が高いが、現時点では、不具合の具体的な内容は公表されていない。
一方、リクイティの発表によると、BOLDの裏付け資産、借り手の担保引き出し、LQTYのステーキングには影響がないとされている。
この発表を受け、ステーキングサービスを提供する「Lido(リド)」は、wstETHをスタビリティプールに預けているユーザーに対し、念のため資産を引き出すよう推奨。また、リクイティV2をフォークした「Nerite(ネライト)」も同様の注意喚起を行った。
現時点では、BOLDは1ドル付近を維持し、LQTYの価格にも大きな変動は見られない。しかし、今後の調査結果によっては、スタビリティプールの運用やユーザー資産に影響が及ぶ可能性がある。


リクイティV2はガバナンスフリーの設計であり、運営チームが直接的に介入できない仕組みになっている。そのため、問題が発生しても、迅速な対処が困難になる可能性がある。ユーザーはリスクを踏まえ、最新の公式情報を確認しながら慎重に判断する必要がある。