イーサリアムL2上でパーペチュアル取引を提供する分散型取引所Lighter(ライター)は30日、独自トークン「LIT(Lighter Infrastructure Token)」を正式発表した。同社は「金融の未来を支えるインフラ構築」を掲げ、LITをインセンティブ整合の鍵と位置づける。ただし、TGE(トークン生成イベント)の具体的な実施日や上場時期については現時点で未定としており、詳細は今後発表される見込みだ。
トークノミクスと検証可能なDEXインフラ
ライターはゼロ知識証明技術を活用した完全検証可能なDEXとして、イーサリアムのセキュリティと相互運用性を継承しながら中央集権型取引所に匹敵する速度とスケールを実現。プロトコルが生み出す価値はすべてLIT保有者に還元され、米国法人C-Corpから直接発行されるトークンは原価でプロトコル運営を継続する設計となっている。
LITの総供給量は10億トークンで、エコシステム50%とチーム・投資家50%に配分。2025年のポイントシーズン1・2参加者へ完全希釈後評価額の25%に相当する即時エアドロップを実施する。チーム・投資家配分には1年間のロックアップと3年間の線形ベスティングが適用され、内訳はチーム26%、投資家24%だ。
分散型予測市場ポリマーケットでは「ライターのエアドロップ実施日」を予測する市場が開設され、取引高は約2,096万ドル(約32.7億円)に達している。12月30日実施の確率は95%、12月31日が3%、2025年中のエアドロップなしが1%未満となっており、市場参加者の大半が年内のエアドロップ実施を予想している状況だ。

同社の中核DEX製品および将来の製品・サービスからの収益はリアルタイムでオンチェーンで追跡可能で、市況に応じて成長とバイバックに配分される。LIT保有者はリスク調整後リターンの向上、約定の改善、資本効率の向上を実現する金融商品にアクセスでき、金融取引の実行と検証インフラはLITステーキング量に基づく階層構造で段階的に分散化が進む。
ライターは11月、ファウンダーズ・ファンドとリビット・キャピタル主導で約105億円を調達し、企業価値は約15億ドルに到達した。ラウンドにはハウン・ベンチャーズとロビンフッドが参加し、トレーダー、機関、チーム、開発者、投資家、ロビンフッドやコインベースなどの戦略パートナー間でのインセンティブ整合がLITを通じて実現される。
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同社は「金融の未来は伝統的金融システムとDeFiの接点にあり、効率的で安全かつ検証可能なインフラが双方向で重要になる」と強調し、2026年へ向けた長期的な取り組みへの感謝を表明した。




