ソラナ最大の分散型取引所(DEX)ジュピターは14日、トークン排出を実質的にゼロにする「ネット・ゼロ・エミッション提案」を公式Xで発表した。同提案は、年次エアドロップ「ジュピュアリー(Jupuary)」の無期限延期、チームリザーブからの排出停止、マーキュリアル関係者のベスティング加速と売却の買い戻しを柱とする。DAO投票は17日午前11時(UTC)に開始され、21日午前11時(UTC)まで実施される。
3つの排出削減策、7億JUPエアドロを無期限延期
提案は3つの主要な排出源を対象とする。
第一に、年次エアドロップ「ジュピュアリー」の7億JUP
JUP(基本配布2億、ボーナス・プール2億、ジュプネット・インセンティブ3億)を無期限延期し、コミュニティ・コールド・マルチシグへ返還する方針だ。スナップショットは維持され、市場環境とトークン状況が改善した時点でDAOが再検討する。
第二に、チームメンバーへの排出を無期限停止する。代わりに、チームメンバーはジュピターのバランスシートに対するクレジットとしてJUPを受け取り、売却希望者がいればジュピター自身が直接買い取る仕組みだ。これによりJUP準備金を強化し、トークンへのコミットメントを示す狙いがある。
第三に、マーキュリアル関係者(総供給量の5%を保有)のベスティングを加速し、売却圧力を相殺する。ジュピターは彼らのウォレットを追跡し、取引所への送金や売却と同額のJUPを市場で買い戻すことで市場への影響を相殺する。
ジュピターは過去に30億JUP(チームの当初配分の30%と戦略準備金を含む)をバーンし、チームは最初のクリフをロック、創業者は2030年までトークンをロック、オンチェーン収益の50%をバイバックに充てるなど、トークン価値保護の実績を強調した。提案は「市場環境においてトークンホルダーの懸念に応えるため」とし、これらを一括実施することで2026年の主要な排出を実質的にゼロにすると説明している。
コミュニティは賛否両論、「約束違反」との批判も
投票は「オプション1:ジュピュアリー続行」と「オプション2:ジュピュアリー延期、チーム排出停止、マーキュリアル相殺」の2択となる。オプション1が過半数を獲得すれば、投票終了の約1週間後にエアドロップチェッカーが公開され、約2週間後に2億JUPの配布が開始される。オプション2が過半数を獲得すれば、ジュピュアリーは延期され、チーム排出は停止、マーキュリアル関係者への配布と同額の買い戻しが実施される。
公式フォーラムでは賛否両論が噴出している。
賛成派は「長期的なトークン価値保護のため」「オプション2が最善の選択」と支持を表明。一方、反対派は「既にDAOで承認されたジュピュアリーを覆すのは約束違反だ」「ユーザーは製品を使い手数料を払った。後から条件を変えるのは詐欺に等しい」「チーム排出停止とエアドロ延期をセットにするのは人質戦術だ」と強く批判した。「消費者保護法に基づく集団訴訟を検討する」との投稿も見られる。
代替案として「エアドロを実施し12か月ベスティングにする」「チェッカーだけ先に公開してから投票すべき」との提案も出ている。ジュピターは「この提案は大胆な方向転換であり、一部のユーザーには苦痛を伴うことを認識している」としつつ、「長期的な健全性のためには困難な対話も必要だ」と説明した。
投票開始前のタウンホールは16日午前9時30分(UTC)にXスペースで開催される。ステーカーは投票参加の有無にかかわらず、ASR(Active Staking Rewards)の対象となる。
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