JPYC、日立製作所ら12社と連携しAML対策強化の実証実験を開始

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタルアセット市場の透明性向上を目指す

ステーブルコイン「JPYC」を発行する「JPYC株式会社」は17日、株式会社日立製作所を含む12社と連携し、計13社でアンチ・マネー・ロンダリング(AML)の実効性向上・共同化に向けた実証実験を開始したと発表した。AMLとは、不正な手段を用いて資金の出どころを分からなくする「マネー・ロンダリング」に対応する取り組みを指す。

個々の企業がAML対策を行う場合、多大なコストや人的リソースが必要となり、デジタルアセット市場全体のAML対策推進を阻害していた。 JPYCを含む各企業は今回の連携により、AMLにおける人材不足の解消、業務の精度・速度の向上、そして効率化を図ることを目指している。

なお、本実証実験にはJPYC株式会社を含む以下の13社が参画している。

  • JPYC株式会社
  • 株式会社日立製作所
  • 株式会社NTT Digital(NTTデジタル)
  • 株式会社オプテージ
  • 株式会社Crypto Garage(クリプトガレージ)
  • Chainalysis Japan(チェイナリシス・ジャパン)株式会社
  • Digital Platformer(デジタルプラットフォーマー)株式会社
  • 日本電気株式会社
  • 野村ホールディングス株式会社
  • ビットバンク株式会社
  • 株式会社finoject(フィノジェクト)
  • 株式会社北國銀行
  • Laser Digital Japan(レーザーデジタルジャパン)株式会社

これらの企業は、AML対策に必要なシステムや人材などのリソースを共有し、特に犯罪資金の流入や犯罪者の資金取引の有無といった重要なモニタリング業務を対象に、情報共有の有効性を検証していく。

本実証実験では、日立製作所が提供する専門プラットフォーム上でAML情報を共有・分析し、各社にフィードバックする。この結果を活用し、各社はAML業務の強化を図る。

各社の役割として、チェイナリシス・ジャパンは独自のブロックチェーンデータプラットフォームとその分析データの提供を担当。日本電気は高度なモニタリング実現に向けた技術提供を行う。フィノジェクトは実証実験の設計と評価結果の分析を担う。日立製作所はプラットフォームの提供と実証実験の推進を担当し、その他の企業は実証実験の有効性の評価を行う。

実証実験は2025年2月から4月にかけて行われ、その結果を踏まえ、デジタルアセット取引業者との連携を強化し、市場全体のAML対策の強化を推進する方針だ。さらに、ブロックチェーン上の取引以外のデータやAI技術を活用し、AMLの精度向上に向けた技術開発にも取り組むとしている。

デジタルアセット市場の拡大に伴い、AML対応の強化は必要不可欠となっている。今回の実証実験が、業界全体のAML対策の高度化に貢献し、健全な市場形成に寄与することに期待したい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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