英金融大手HSBCの香港法人である香港上海銀行は9月30日、発行を予定している香港ドル建てステーブルコインの正式名称を「HSBC RedCoin(HSBCレッドコイン)」に決めたと発表した。同行は4月に香港金融管理局(HKMA)から発行ライセンスを取得しており、2026年下半期の発行を予定している。現時点では、まだ発行していない。
個人間送金と店舗決済から段階的に
レッドコインは発行当初、同行の決済アプリ「PayMe」と「HSBC香港モバイルバンキングアプリ」でのみ提供する。まずは個人間の送金や店舗での支払いといった日常的な用途から始め、その後、企業や機関投資家向けの用途に広げる段階的な展開を計画している。PayMeの利用者は、4月時点で330万人を超える。
詐欺の防止や償還の仕組みを説明する一般向けの啓発活動も、アプリやウェブサイト、SNSで始める。
香港の最高経営責任者(CEO)を務めるマギー・ン氏は、名称は同行の伝統を反映したものだと説明。発行は始まりにすぎず、HSBCの安全性や信頼、分かりやすさを土台に、香港の金融イノベーションを支えていきたいと述べた。
顧客の74%が用途を認識
同行は名称とともに、香港の顧客1,060人を対象にした調査の結果も公表した。用途と信頼の条件について、回答が多かった項目は次の表の通り。
| 項目 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 想定する用途 | デジタル資産の取引・トークン化投資 | 57% |
| 個人間の送金 | 53% | |
| 国際送金 | 52% | |
| 店舗での支払い | 52% | |
| 信頼を高める要素 | 規制の明確化 | 62% |
| 教育の充実 | 55% | |
| 詐欺からの保護 | 53% | |
| 現金への換えやすさ | 51% | |
| 準備資産の透明性 | 39% |
ステーブルコインを法定通貨に裏付けられたデジタル資産と正しく理解していた人は60%だった。一方で、26%は政府が発行するものと考え、10%は利息が付くと考えていた。同行は、利息の付与は香港の現行の規制の枠組みに含まれていないと説明している。調査は6月18〜28日に、18〜64歳の顧客を対象にオンラインで実施した。
同行は、HSBCを名乗る偽のステーブルコインとは一切関係がないとして、投資詐欺への注意も呼びかけている。



