仮想通貨取引所「FTX」の破綻以降、中央集権取引所(CEX)の信頼は大きく揺らぎました。多くの投資家が分散型取引所(DEX)へシフトする一方、CEXよりも扱いにくいというジレンマを抱える投資家も少なくありません。
今回紹介する「Hibachi(ヒバチ)」は、信頼性と快適な取引体験の両方を実現するDEXです。この記事ではHibachiの概要とともに、登録方法から取引手順までを詳しく画像付きで解説します。
Hibachi(ヒバチ)とは?

名称 | Hibachi(ヒバチ) |
サービス開始 | 2024年10月(ベータ版) |
提供サービス | デリバティブ取引 |
対応通貨ペア数 | 19種類 |
対応ネットワーク | Arbitrum・Base |
取引手数料 | メイカー:0% テイカー:0.02% |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | スタンダード:0.02 USD インスタント:出金額の最大0.2% |
最大レバレッジ | 15倍 |
API対応 | 対応なし |
日本語対応 | 対応なし |
公式サイト | https://hibachi.xyz/ |
公式X | https://x.com/hibachi_xyz |
公式Discord | https://discord.com/invite/hibachi-xyz |
Hibachi(ヒバチ)は、Arbitrum・Baseで展開する信頼性と高速処理を強みに持つDEXです。
メインとなるデリバティブ取引では、ビットコイン(BTC)を含む19種類の通貨ペアに対応。期間限定で需要の高い通貨を取引できる「フラッシュ・マーケット」を実装することで、投資家へさらなる利益獲得の機会を提供しています。
コアメンバーには、Amazonといった米テック企業やMagic EdenなどのWeb3企業出身者が在籍。盤石な開発基盤でも多くのユーザーを惹きつけ、2025年8月には累計取引ボリュームが30億ドルを突破して話題になりました。
Hibachiは仮想通貨ウォレットのほか、GoogleやAppleアカウント、メールアドレス登録に対応しており、Web3初心者にも配慮されています。日本語対応はないものの、CEX同様の視認性と扱いやすさが魅力です。
そんなHibachiの詳しい特徴は、以下で解説するとおりです。
「証明可能」なインフラを持つDEX
Hibachiはスピードと信頼性を両立させるため、独自の「証明可能なインフラ」を構築しています。
Hibachiのインフラ
- オフチェーンのオーダーブック:
- 取引処理のオフチェーン化によって6ミリ秒という驚異的な処理速度を実現
- ゼロ知識証明:
- RISC Zeroの「Boundless」を活用し、秘匿性を保ちながら取引の正しさを証明
- データの可用性:
- 取引データを「Celestia」というデータ可用性レイヤーで暗号化したうえで公開
- オンチェーンの資金管理:
- スマートコントラクトでの資金管理で、ユーザーによる準備金の常時検証が可能
上記の仕組みによってCEXが持つ高速取引体験、ブロックチェーン本来が持つ信頼不要を両立させています。ブロックチェーン上での厳格な資金管理で、資金の透明性もしっかり担保されている点も強みです。
デリバティブに固執しない取引基盤
Hibachiはデリバティブ取引だけに特化しない、マルチな機能を今後実装していく予定です。
今後実装予定の機能例
- マルチチェーン対応:
- EVM(イーサリアム仮想マシン)などとのシームレスな資金移動
- AIトレーディングアシスタント:
- AIエージェント実装による取引戦略の提案・市場動向の把握
- マルチ担保取引:
- 複数資産を担保にリスク管理を徹底した多様な取引戦略
- RWA(現実資産):
- FXや株式など現実資産をオンチェーン上で取引
- 利回り担保:
- 運用資金の担保化と利回り獲得の両方を実現
マルチな機能を実装することで、Hibachiは他のデリバティブDEXとの差別化を図る狙いです。特に仮想通貨のみに縛られない柔軟な取引体験は、DeFi(分散型金融)ユーザーを惹きつける要因になるでしょう。
競合DEXよりも安価な取引手数料
Hibachiはメイカーで0%、テイカーで0.02%と、安価な取引手数料体系を実現。市場でも高い取引ボリュームを誇るその他DEXと比較すると、特にテイカー手数料の安さが際立っています。
DEX | メイカー手数料 | テイカー手数料 |
---|---|---|
Hibachi | 0% | 0.02% |
Hyperliquid | 0.001% | 0.035% |
edgeX | 0.02% | 0.05% |
Raydium | 0% | 0.025% |
ApeX Protocol | 0.02% | 0.05% |
また、今後HibachiはCEXが導入するような取引量に応じた手数料割引システムも実装予定。資金量の多いトレーダーや短期売買をメインとするトレーダーにとっても、最良の取引環境の実現を目指しています。
エアドロ期待のポイントプログラム
Hibachiは現在、トークンエアドロップにつながるとされるポイントプログラムを実施中です。主にデリバティブ取引や友達紹介のアクションを通じて、Hibachiユーザーはポイントを獲得できます。
デリバティブ取引に至っては、取引を行うたびにランダムな量の「スパーク」が付与。10,000スパークを貯めると、ランダムな量のポイントを獲得できる「ミステリーボックス」がもらえる仕組みです。

また、ロイヤルティティア(取引量に応じたランク)やクエスト等の仕組みにより、スパーク獲得にブーストをかけることも可能。エアドロップ狙いの方は、今のうちにHibachiへ参入するのがおすすめです。
Hibachiを使う前の準備【初心者向け】
事前準備
- 仮想通貨取引所の口座開設
- 仮想通貨取引所でETHを購入
- 海外取引所にETHを送金
- メタマスクのアカウント作成
- メタマスクにArbitrumチェーンを追加
- メタマスクにETHを送金
- ETHをUSDTにスワップ
Hibachiを利用する前の必要準備は上記のとおりです。以下では初心者の方に向けて、各種準備手順について解説します。各種項目をタップしてぜひ手順を確認してください。
STEP1:仮想通貨取引所の口座開設
取引の元手通貨準備のため、まずは国内外の仮想通貨取引所の口座開設を進めます。初心者の方は、安全性や操作性に定評がある以下の国内取引所の利用がおすすめです。
おすすめ国内仮想通貨取引所
- GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さと取扱銘柄の豊富さで定評のある国内取引所です。特に仮想通貨の送金手数料が無料であるため、海外仮想通貨取引所やMetaMask(メタマスク)などへの送金におすすめです。 - コインチェック
コインチェックは国内でもトップクラスのユーザー数を持つ仮想通貨取引所です。仮想通貨の売買手数料が無料で、積立やレンディングなど豊富なサービスを提供しています。特にスマホアプリの操作性やデザインが高評価で、仮想通貨初心者におすすめの取引所です。 - ビットバンク
ビットバンクは、高いセキュリティと多様な取扱銘柄が魅力の国内仮想通貨取引所です。預かり資産の大半をコールドウォレットで管理し、マルチシグ対応など堅牢なセキュリティ体制を整えています。現物取引に加え、信用取引やレンディングサービスも提供しており、取引スタイルに応じた柔軟な運用が可能です。また、板取引に対応しており、スプレッドが狭く中上級者にも人気です。 - bitFlyer
bitFlyerは、国内最大級のビットコイン取引量を誇る国内取引所です。ビットコインが貯まるクレジットカードや、Vポイント(旧Tポイント)をビットコインに交換できるサービスが評判です。さらに、少額から仮想通貨を手数料無料で購入できる点も魅力です。
国内取引所は、トラベルルールの影響で海外取引所との送金が制限される場合があります。そんなときは、メタマスクなどのプライベートウォレットを経由すれば問題ありません。
国内取引所とあわせ、海外取引所の口座開設も必要です。以下の取引所は日本人ユーザーからの人気が高く、豊富な取り扱い通貨と豪華キャンペーンに強みを持っています。
STEP2:仮想通貨取引所でETHを購入
国内取引所を通じて、以下の手順でETH(イーサリアム)を購入します。
ETHの購入手順
- 国内取引所に日本円を入金
- 販売所経由でETHを購入
国内取引所によっては、ユーザー同士での仮想通貨売買が可能な「取引所」機能を提供してます。販売所よりも手数料コストを抑えられるので、取引に慣れた方はこちらの利用も検討してみてください。
STEP3:海外取引所にETHを送金
国内取引所で購入したETHを以下の手順で海外取引所に送金します。
ETHの送金手順
- 海外取引所でETHの入金アドレスを取得
- 国内取引所で海外取引所の宛先を登録
- 国内取引所からETHを送金
国内取引所によっては、トラベルルールの関係で送金対応していない海外取引所があります。あらかじめ利用する国内取引所のトラベルルール対応状況を確認しておいてください。
関連:GMOコインから仮想通貨を送金する方法
関連:コインチェックから仮想通貨を送金する方法
関連:ビットバンクから仮想通貨を送金する購入方法
STEP4:メタマスクのアカウント作成
Hibachi利用時に必要な仮想通貨ウォレット「メタマスク」のアカウント作成を進めます。
メタマスクのアカウント作成手順
- メタマスクアプリのダウンロード
- 新規ウォレット作成を選択する
- ウォレットのパスワード設定を行う
- シークレットフレーズのメモ・確認
シークレットフレーズはウォレット復旧に必要な鍵になります。表示されたら忘れないようにメモ等に記録して大切に保管してください。
STEP5:メタマスクにArbitrumチェーンを追加
メタマスクはデフォルトでArbitrumチェーンに対応していません。以下の手順で、Arbitrumチェーンのネットワーク追加を進めてください。
Arbitrumチェーンの追加方法
- ホームからネットワーク選択画面を開く
- カスタムネットワークを追加をタップ
- Arbitrumのネットワーク情報を入力
Arbitrumのネットワーク情報は以下のとおりです。入力間違いがないよう、それぞれコピペを活用して情報入力を進めてください。
ネットワーク名 | Arbitrum One |
新規RPC URL | https://rpc.ankr.com/arbitrum |
チェーンID | 42161 |
通貨記号 | ETH |
ブロックチェーンエクスプローラーのURL | https://arbiscan.io/ |
STEP6:メタマスクにETHを送金
海外取引所からメタマスクにETHを送金します。
ETHの送金手順
- メタマスク(Arbitrum)で入金アドレスを取得
- 海外取引所で入金アドレスを基にETHを送金
- メタマスクでETHの着金を確認
入金アドレスを手入力すると誤入力により、最悪ETHを紛失する可能性があります。必ずコピペを活用して送金ミスを防ぐようにしてください。
関連:メタマスクの入金方法
STEP7:ETHをUSDTにスワップ
メタマスクに入金したETHをUSDTにスワップします。
ETHのスワップ手順
- Arbitrum上のETHをタップ
- 「スワップ」を選択
- スワップ先を「USDT」に設定
- ETHでスワップ数量を設定
- ガス代を払ってスワップ完了
USDTはHibachiでの取引資金、ETHはUSDTを入金する際のガス代として使用します。そのため、全額USDTに変換するのではなく、数百円程度のETHを手元に残しておいてください。
Hibachiの使い方
以下ではHibachiの基本的な使い方を画像付きで解説します。ぜひウォレット連携の項目からタップし、使い方を順次確認してください。
ウォレット連携
まずは以下リンクより、Hibachi公式サイトへアクセスします。
公式サイトにアクセス後、画面下の「Sign in or Sign Up」をタップ。その後、「Connect Wallet」をタップしてウォレット連携を進めます。

次に「WalletConnect」をタップ。ウォレット一覧から「MetaMask」を選択します。

メタマスク起動のポップアップが表示されるので「開く」をタップ。メタマスクが開いたら、「接続」をタップして接続を許可してください。

Hibachi公式サイトに戻ったら、再度「Sign in or Sign Up」、「Connect Wallet」の順にタップしてください。

最後に、ウォレット連携の確認を行います。「Sign Request」を2回タップし、メタマスクで連携確認を済ませればウォレット連携完了です。

USDTの入金
ウォレット連携完了後、HibachiにUSDTを入金します。Hibachiの入金概要については、あらかじめ以下の一覧表を参照してください。
入金対応ネットワーク | Arbitrum・Base |
入金対応通貨 | USDT・USDC |
入金手数料 | 無料(ガス代を除く) |
入金反映時間 | 45秒程度 |
入金を進める際は、ウォレット連携後に画面下の「Deposit」をタップ。その後、「Unlock」をタップします。

メタマスクが開くので、使用上限要求画面で「確定」をタップ。その後、USDTで入金数量を設定し、「Deposit」をタップしてください。

メタマスクでトランザクションの確認を済ませると、HibachiでUSDTの入金処理が始まります。入金処理完了後、アカウントに入金額が反映されたかを確認してください。

USDTの出金
Hibachiの出金では、「スタンダード」と「インスタント」の2種類のモードを用意しています。以下の一覧表から出金概要とともに、各モードでの手数料や出金反映時間の違いを確認してください。
出金対応ネットワーク | Arbitrum・Base |
出金対応通貨 | USDT・USDC |
出金手数料 | スタンダード:0.02 USD インスタント:出金額の最大0.2% |
入金反映時間 | スタンダード:5〜10分 インスタント:15〜30秒 |
出金を進める際は、画面上部のウォレットアイコンをタップします。ポートフォリオ画面から「Withdraw」をタップ。その後、出金数量を設定して「Withdraw」をタップすれば出金完了です。

サブアカウントの作成
Hibachiではメインアカウントとは別に、サブアカウントの作成に対応しています。サブアカウントの活用でアカウント別での取引戦略をとれるのはもちろん、擬似的な分離マージン取引を進めることも可能です。
サブアカウント作成の際は、まず画面上部のプロフィールアイコンをタップ。その後、画面下の「Sub Account」をタップします。

任意でサブアカウント名を設定後、「Create」をタップしてアカウント作成完了です。

サブアカウントへの資金移動
サブアカウントで実際に取引する場合は、メインアカウントからの資金振替が必要です。
まずは、アカウント画面から「Main Account」を選択して「Transfer」をタップ。その後、振替数量を設定して「Transfer」をタップして振替完了です。

デリバティブ取引
Hibachiのデリバティブ取引は、クロスマージン方式で最大15倍のレバレッジでの取引が可能です。執筆時点での通貨ペア対応数は少ないですが、今後拡充されていくことが期待されています。
実際に取引を進める際は、トレード画面上部の通貨ペアをタップ。取引可能な通貨ペアが一覧表示されるので任意のものを選んでください。トレード画面に戻ったら、画面下の「Trade」をタップします。

Hibachiの注文画面の見方は以下のとおりです。画像や一覧表を参考に、注文設定を進めてください。

① 注文方向 | Buy・Sellから選択 |
② 注文方法 | Market・Limit等から選択 |
③ 注文数量 | 取引通貨・USDで設定 |
④ 利確・損切設定 | 価格帯・%で設定 |
注文設定完了後、「Buy」もしくは「Sell」をタップすれば注文を発注できます。CEXのように注文確認画面が表示されないので、あらかじめ設定ミスがないかを確認しておくのがおすすめです。

ポジションの決済
ポジション情報はチャート画面下の「Positions」から確認できます。決済したい場合は、画面内の「Close」をタップ。決済数量を設定して「Confirm」をタップしてください。

獲得スパークの確認
取引活動で獲得したスパークは、「Positions」と同じタブにある「Rewards」から確認できます。スパークの獲得ブースト状況は、画面上部の「Boost:」をチェックしてください。

紹介コードの取得
自身の紹介コード経由で友人がHibachiで取引した場合、取引手数料の一部を報酬として獲得できます。自身の取引量が増えるほど、紹介手数料報酬の割合は以下のように上昇する仕組みです。
ロイヤルティティア | 取引ボリューム | 紹介手数料 |
---|---|---|
Flicker | $0 | 10% |
Spark | 初回取引 | 10% |
Smolder | $100 | 10% |
Ember | $500 | 15% |
Flame | $1,000 | 15% |
Flare | $5,000 | 15% |
Scorching | $10,000 | 20% |
Searing | $20,000 | 25% |
Blaze | $50,000 | 30% |
Raging | $100,000 | 35% |
Firestorm | $500,000 | 40% |
Inferno | $1,000,000 | 45% |
Hellfire | $10,000,000 | 45% |
Phoenix | $50,000,000 | 45% |
Supernova | $100,000,000 | 45% |
手数料報酬は毎月月曜日にアカウントへ自動入金されます。ポイント獲得にもつながるアクションなので、取引と併せて積極的に友達紹介を進めてみるのがおすすめです。
紹介コードを取得する際は、画面上部のメニューアイコンをタップ。表示メニューから「Rewards」をタップすれば自身の紹介コードを確認できます。なお、鉛筆マークをタップすれば紹介コードを任意の文字列に変更することが可能です。
