米中がビットコイン保有量で上位独占、ドイツは全量売却
2025年4月時点で、各国政府が保有するビットコイン(BTC)は合計463,741 BTC(約6.2兆円)に達し、これは全供給量のおよそ2.3%に相当すると、暗号資産データアグリゲーターのCoinGecko(コインゲッコー)のレポートにより明らかとなった。
今回のレポートによると、政府のビットコイン保有量は、2024年7月時点の529,591 BTCから減少している。各国の政府は、ビットコインの押収、寄付、購入、またはマイニング活動を通じて保有量を増減させてきた。政府の仮想通貨市場への関与は依然続いており、その動向が市場に与える影響も無視できない状況にある。

最も多くビットコインを保有しているのは米国で、198,010 BTC(約2.66兆円)にのぼる。米政府は押収資産から大量のビットコインを得ており、これらを「デジタル・フォートノックス」として管理する方針を2025年3月に発表した。しかし、同年4月時点の保有量は、2024年7月に比べやや減少している。
中国政府は194,000 BTC(約2.61兆円)を保有しており、米国に次ぐ規模となる。中国では仮想通貨取引とマイニングが禁止されているが、2019年の「PlusToken(プラストークン)詐欺」に関連する押収資産が、現在の保有量の大部分を占める。これらのビットコインについて、中国政府は売却を行っておらず、今後の方針も明らかにしていない。
ブータン政府は、8,980 BTC(約1,210億円)を保有する。同国は水力発電を利用した持続可能なマイニング活動により、ビットコインを獲得してきた。市場からの購入や押収に依存せず、自国の再生可能エネルギー資源を活用して仮想通貨を保有する独自の方針を取っている。
ドイツは2024年半ばに46,359BTC(約6,251億円)を全量売却し、この動きはビットコイン市場に15.7%の価格下落を引き起こした。ドイツのケースは、政府による大規模売却が市場に与える影響の大きさを如実に示した例である。
今後、各国政府がどのようなタイミングでビットコインを売却または保有し続けるかによって、仮想通貨市場全体の価格動向や投資家心理に大きな影響を及ぼす可能性がある。政府の動向を注意深く監視することが、リスク管理上ますます重要になるといえる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.17円)