ステーブルコインの将来性
スタンダードチャータード銀行とゾディア・マーケッツのアナリストは28日、共同で「今後ステーブルコインの採用が大幅に進み、将来的には米国のM2取引の10%を占める可能性がある」との予測を発表した。
それってあなたの感想ですよね?
上記の予測は『Stablecoins: The first killer app』と題するプレゼンテーションの中で発表されたものだ。ところが、このプレゼンテーション資料のどこを探しても、「将来的にステーブルコインのシェアがM2取引の10%を超える」であろうことを示すモデルが見当たらない。
モデルというと大げさだが、
(子供の身長)=(親の身長)×0.9+20+誤差
程度の単純な回帰式でかまわない。
それすら示せず、
- トランプ政権による規制の整備
- 国際送金需要の拡大
- 仮想通貨の大衆的受容
などという、解像度の低い業界概況を示すのみなのだから、「それってあなたの感想ですよね?」(ひろゆきテスト)で瞬殺だ。
意見は立場が決める
今ひとつ問題がある。「将来的にステーブルコインのシェアがM2取引の10%を超える」との予測は、スタンダードチャータード銀行とゾディア・マーケッツが共同で開発した「ステーブルコイン用アプリ」のプレゼンテーション資料の中で発表されたものなのだ。
彼らにとって都合のいい お手盛りの予測が飛び出すのは、ある意味、当然といえる。「意見は立場が決める」・・・これはこの世の法則だ。
ステーブルコイン不要論
筆者はステーブルコイン不要論者なので、ついでに否定派の論拠も紹介しておこう。
中央集権化の懸念
発行体の破綻や不正リスクが存在。FTXやバイナンスの大不祥事も、もとはといえば震源地はステーブルコインだ。
CBDCの台頭
各国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行すれば、ステーブルコインの役割が重複し、必要性は薄れる。
分散型プロトコルによる代替
ステーブルコインを必要としない、価格変動リスクの少ないプロトコルや資産(例えば、エーシェントなスマートコントラクト設計)で代替可能。
仮想通貨の理念との乖離
仮想通貨は本来、法定通貨からの独立を目指しているが、ステーブルコインは法定通貨や中央管理に依存しているという矛盾が生じる。
あなたはステーブルコインの支持派? それとも否定派?
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情報ソース:The Block