セルフカストディ型の暗号資産(仮想通貨)ウォレットを提供する「Exodus(エクソダス)」は25日、決済企業である「W3C Corp」及びその子会社である「Monavate(モナベート)」と「Baanx(バーンクス)」を買収する正式契約を締結したことを発表した。
エンドツーエンドのオンチェーン決済体験を提供へ
発表によると、買収額は1億7,500万ドル(約274億円)で、現金とギャラクシー・デジタルからの融資によって賄われる予定である。この買収は規制当局の承認を経て、2026年に完了する見込みだ。
この取引により、エクソダスは、ウォレットからカード発行まで、決済体験全体(エンドツーエンド)を自社で管理できる数少ないセルフカストディウォレットの一つとなる。
同社は、ビザ、マスターカード、ディスカバーといった主要ネットワークを通じて決済カードを発行する能力を得るほか、米国、英国、EUにおいて、決済用ステーブルコインを含むより広範な資産をサポートする新製品やパートナーシップを展開できるようになるという。
エクソダスの共同創設者兼CEOであるJP・リチャードソン氏は、「本日の発表は、セルフカストディと暗号資産決済を日常生活で実用的なものにするという我々のミッションにおける大きな一歩だ」とコメント。「カードと決済のインフラを自社に取り込むことで、保有と支出の間のギャップを埋め、エクソダスをお金のために必要な唯一のプラットフォームとして位置付ける」と述べた。
また、CFOのジェームズ・ガーネツキー氏は、この買収が収益源の多角化に貢献するとし、「日常的なデジタルドルの利用に沿った、より予測可能で継続的な収益基盤を構築する」との見解を示した。
今回の買収は、エクソダスが先日実施した、ラテンアメリカ拠点のステーブルコイン決済基盤企業「Grateful(グレイトフル)」の買収に続くものだ。エクソダスは一連の買収を通じて、消費者と加盟店の双方に向けた決済製品を展開するための基盤を整えている。同社が今後発表するであろう、暗号資産保有と日常決済をつなぐサービスに期待したいところだ。
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価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.70円)




