ETF(上場投資信託)発行企業「REX Shares(レックス・シェアーズ)」は4日、ドージコイン(DOGE)の現物ETFとなる「The REX-Osprey™ DOGE ETF(ティッカー:DOJE)」の目論見書を米証券取引委員会(SEC)へ提出した。これが実現すれば、米国初のドージコイン現物ETFとなる見込み。
ソラナETFに続くスキーム、ケイマン子会社を活用
具体的な上場日程は明かされていないが、一部の市場関係者は上場が早くても来週ではないかとみているようだ。「Bloomberg(ブルームバーグ)」のETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、レックス・シェアーズの発表を引用して「来週にはドージコインETFが立ち上がるだろう」との見解を示しており、市場の期待感が高まっている。
さらに同氏は、このETFが7月に取引を開始したソラナ(SOL)のステーキングETF「REX-Osprey™ Solana Staking ETF(ティッカー:SSK)」と同様のスキームを採用している点を強調している。
ドージコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)は「1940年投資会社法」による投資資産種別や運用制限などにより、ETF化が難しいとされていた。しかし、目論見書によるとDOJEは、ケイマン諸島に設立された子会社「REX-Osprey DOGE(Cayman)Portfolio S.P.」を通じてドージコインへ投資する仕組みとなっている。直接保有ではなく子会社への投資という形をとることで、法的な要件を満たしながらドージコインへの投資を実現しようという狙いだ。
また、目論見書にはBONK(ボンク)やTRUMP(トランプコイン)といった他のミームコインに関連するETF計画も含まれており、これらもドージコインETFと同様のスキームで上場する可能性が高い。バルチュナス氏はドージコインを皮切りに、その他ミームコインのETF化が後に続く可能性があるとの見解を示している。
他社の動きとしては、資産運用会社「21Shares(21シェアーズ)」が5月にドージコイン現物ETFを申請。「Grayscale(グレイスケール)」は8月にドージコイン投資信託をETFへ転換する申請を行っている。ジョークとして誕生したドージコインだが、こうした相次ぐ申請の流れにより、いまや真剣な投資対象として市場に受け入れられつつある。
ドージコイン現物ETFが仮に実現すれば、従来「ミームコイン」として位置づけられてきた資産クラスの存在感を一段と高めることにつながるだろう。昨今の規制緩和の流れからも承認は時間の問題とも捉えられそうだが、SECが今後どのような判断を下すかに注目したいところだ。
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