分散型金融の預かり資産残高は、2022年2月以来最高の30兆円に達する
分散型金融(DeFi)のTVL(Total-Value-Locked:預かり資産残高)が15ヶ月ぶりに1,920億ドル(約30兆円)に達したことが、分散型アプリケーション(DApps)情報プラットフォーム「DappRader」の調査により明らかとなった。
1/ 2024 年 5 月の Dapp 業界レポートが公開されました。
dapp業界は強気の傾向にあり、勢いを増し続けています。2024年5月、DeFi TVLは1920億ドルに達し、2022年2月以来の最高のパフォーマンスとなりました。
レポートによると、DeFiのTVLは1,920億ドル(約30兆円)に達し(※)、前月比17%増、2022年2月以来の最高のパフォーマンスを記録した。ただし、これは主に仮想通貨価格の上昇、特にイーサリアムの価格が25%上昇したことによるものだ。
※この数値はDappRader独自の計算に基づいてます。TVLの算出方法には標準がありません。例えば、ガバナンストークンのステーキングの分、リキッドステーキングの分を算入するのかはその時々に応じて異なります。
イーサリアムはDeFi全体のTVLの大部分を占めており、5月はその優位性が68%に達した。それに続くのがSolana(ソラナ)で、ここ数ヶ月はミームコイン取引とネットワーク上のDeFiアクティビティによって推進されている。
レイヤー2まわりも活発化してきており、5月は「Merlin(マーリン)」が最もパフォーマンスが良かった。というのもマーリンは「Solv Finance(ソルブ・ファイナンス)」と共同でユーザーにポイントやトークンのファームを奨励するプロモーションを実施しているためだ。これにエアドロップを期待するユーザーが殺到した。
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TVLが力強い伸びを見せた一方で、DeFiのUAW(Unique Active Wallet:DAppのスマート コントラクトとやり取りする一意のウォレットアドレスの数)数は減少した。これはユーザーがブロックチェーン上で取引する数が減ってきていることを示している。
DappRaderは、イーサリアム上のブロックチェーン取引が活発になって価格が上昇したのではなく、米国でのイーサリアムの現物ETF上場に期待した投機的な動きが価格上昇をもたらしたと考察している。
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