ビットコイン・アルトコイン共に一時反発を見せていたものの、全体的に弱気なセンチメントは継続。上下どちらに向かうとしても勢いは弱く、材料待ちの状態が続いている。
BTC回復基調も11万6,000ドルの壁に阻まれる 大きな価格変動を示唆するデータも

日本時間12日から13日にかけて回復の兆しを見せていたビットコインだが、11万6,000ドルを前に失速。さらに1時間足レベルでのWトップが完成しているため、市場心理的には極めてネガティブな状況だ。
しばらく流入が続いていたビットコイン現物ETFが、流出に転じたことも市場心理圧迫につながっている。特に週明け13日は3億2,640万ドル(約495.67億円)のマイナスとなっており、機関投資家の慎重な姿勢がうかがえる。
また、米政府閉鎖長期化の影響もあり材料不足による薄商いが続いているが、オンチェーンデータからは今後の大きな価格変動を示唆する動きも見られる。

特にImplied volatility(予想変動率)が現在50.78%と急上昇中。これは機関投資家による価格予測の下値から上値までの幅を表すもので、この値が大きいほどボラティリティが拡大する傾向にある。
現在の予想変動率は、仮想通貨市場が今年最安値から急反発した4月以来の高水準で、近い将来における大きな価格変動の可能性を示唆している。あくまで「変動率」なので上方向に限らず、下にも大きく動く可能性がある点には注意が必要だ。
ETH現物ETFから3日連続の流出 ソラナ大幅上昇もXRPは上値重い
イーサリアム現物ETFからは9日に870万ドル(約13億2,000万円)、10日に1億7490万ドル(26億5,700万円)、13日に4億2850万ドル(約65億1,100万円)と流出が加速。

このことから、12日から13日にかけてのイーサリアム上昇の要因は、投資家心理の改善よりもショートカバーの影響が大きいようだ。

ソラナは12日の安値から最大約21.8%と、力強い伸びを見せた。数日前にソラナ・カンパニーが将来的にソラナの総供給量の5%保有を目指すと発表するなど、財務戦略が活発化しているため、安値のうちに買い増しをしたいという投資家心理が働いていると分析される。ただ、210ドルを超えたあたりから強い戻りにさらされている。

一方XRPは12日の安値から約14%と上値が重い。期待されていた現物ETFや銀行ライセンスの承認が、米政府閉鎖の影響で不透明になっている点が影響していると考えられる。
CPIは24日に延期 本日はパウエル議長の講演に注目が集まる
米労働省によると、消費者物価指数(CPI)は政府閉鎖の長期化により発表停止が濃厚だったが、重要指標のため24日に例外として公開するとのこと。今週は材料不足感が否めないが、そんな中日本時間15日午前1時20分に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジェローム・パウエル議長による講演に注目が集まっている。
焦点となっているのは今後の利下げについてのスケジュール。年内での追加利下げを示唆する内容が発表されれば、市場の空気が一変する可能性も。特に薄商いの時はニュース一つで大きく価格が動くこともあるので注意しておこう。
ETFフローやチャートの形状から市場心理の弱さが確認されるため、短期的には下方向への圧力が優勢になりやすい状況だ。ただ、大きな価格変動を示唆するデータもあることから、市場の動向や関連するファンダには気を配っておこう。特に本日のパウエル議長による講演前後の値動きには要注意だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=151.86円)