ビットコイン・イーサリアムは資金流出が続く
資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は22日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、先週の仮想通貨ETPは、総額600万ドル(約8.4億円)と小幅な純流入を記録した。

レポートによると、週の前半に緩やかな資金流入が見られたものの、米国の小売売上高が市場予想を上回ったことを受け、週の中盤には1億4,600万ドル(約204億円)の流出が発生した。
地域別では、米国では7,100万ドル(約99億円)の資金が流出した。一方で、欧州およびカナダ市場では比較的前向きな動きが見られ、スイスで4,370万ドル(約61億円)、ドイツで2,230万ドル(約31億円)、カナダで940万ドル(約13億円)の資金流入が確認された。
銘柄別では、ビットコインが600万ドル(約8億円)と小幅な流出で週を終えた。また、ビットコイン価格の下落を見越す「ショート・ビットコイン」型の投資商品からも120万ドル(約1.6億円)の資金が流出した。これで7週連続での資金流出となり、累計では3,600万ドル(約50億円)に達した。
イーサリアムは引き続き厳しい状況が続いており、先週は2,670万ドル(約37億円)の資金が流出した。過去8週間の累計では7億7,200万ドル(約1,083億円)に上っている。ただし、年初来では2億1,500万ドル(約301億円)の純流入を維持しており、依然としてビットコインに次ぐ規模の投資対象である。
このように主要銘柄が苦戦するなかで、XRPは堅調な動きを見せた。先週は3,770万ドル(約52億円)が流入し、年初からの累計では2億1,400万ドル(約300億円)に達した。これは仮想通貨ETP全体の中で今年3番目に高い流入額であり、XRPへの高い関心が継続していることがうかがえる。
市場が不安定な状況にある今こそ、短期的な価格変動にとらわれず、中長期的な視点での投資判断が求められる。各資産の動向を丁寧に見極める姿勢が、安定的な運用成果につながる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=140.24円)