仮想通貨チャート分析
ビットコイン(BTC): 相場は激しく乱高下、今年最大のレバレッジ一掃
ビットコインは執筆時現在、102,000ドル付近を推移している。昨日、最高値は109,705.00ドルをつけ、史上最高値を更新した。最安値は99,566.39ドルだった。
米共和党のドナルド・トランプ氏が20日正午(日本時間21日午前2時)、第47代大統領の就任式を行い、第2期目となるトランプ政権に幕を開けた。就任式前には、トランプ大統領が暗号資産(仮想通貨)に対しての規制緩和やビットコイン準備資産についての発言に期待が寄せられ、ビットコイン価格は上昇し、史上最高値を109,705.00ドルに更新した。しかし、トランプ氏の就任演説で仮想通貨に対する言及がされなかったことで相場は興奮から失望へ変わり、仮想通貨市場は24時間で12億8000万ドル以上の清算(Coinglassのデータ)が行われ、今年最大のレバレッジ一掃となった。
昨日の日足ローソク足は長い上ヒゲを伴って確定した。これは就任式への期待で買い圧力が発生したが、就任式後その上昇を打ち消すほどの下落圧力が働いたことを示している。
4時間足でより細かい値動きを確認すると、トランプ大統領の就任演説が行われた時間帯に急落が起きていることが確認できる。史上最高値を更新した後、大陰線が出現しており、一時価格は100,000ドル付近まで下落した。しかし、テクニカル的には移動平均線や100,000ドル水平線でサポートされていることから相場を悲観するほどの下落には至っていないと考えられる。
最近の相場では、移動平均線とローソク足が乖離幅が大きくなっていたが、昨日の下落によって解消された。日足の長い上ヒゲはトレンド転換を示す場合があるため今後下落に注意する必要があるが、移動平均線の位置関係に関して言えば、また上昇しやすい環境を整えるための調整だと捉えることも可能な状況だ。
トランプ氏は、過去に「米国を仮想通貨大国にする」発言しており、17日には自身のミームコインを発表した。以前から仮想通貨業界に対して積極的な姿勢をみせていたことから、今後変革をもたらす可能性のある政策を打ち出す可能性が考えられる。しかし市場の期待感が大きかった分、トランプ大統領が就任演説で暗号資産について言及しなかったことや、共和党議会優先事項を示す報告書にもビットコインや暗号資産に関する言及がなかったことは相場に失望感を与え、事実売りを招く結果となった。
イーサリアム(ETH):横ばい形成しやすい環境、4時間足の三角持ち合いに注目
イーサリアムは執筆時現在、3250ドル付近を推移している。前日比2.14%上昇し、最高値は3453.69ドルで最安値は3142.78ドルをつけた。
日足は、上影陽線で確定し、上値の重さが目立っている。相場は3100ドル付近から3500ドル付近のレンジを引き続き形成している状況だ。現在ローソク足は、3本の移動平均線の真ん中付近に位置しており、オシレーター類も横ばいを形成していることから、レンジ相場になりやすい状態であることを示している。移動平均線の密集の中にいることから、売りと買いの圧力が同等であることが示されており、今後のしばらくは横ばいを形成しやすいと予想される。
4時間足では、高値の切り下げと安値の切り上げによって三角持ち合いを形成している。現在は、三角持ち合いの下限値付近を推移している状況だ。移動平均線は密集状態が続いており、トレンドが発生していないことを示している。移動平均線の保ち合い状態では売り買いが拮抗しており、エネルギーを溜めている状況だと認識されるため、そこから短期移動平均線の上放れや下放れが起きた場合トレンド転換を示唆する可能性がある。
ソラナ(SOL):4時間足ダブルトップ、ネックライン下抜け近い
ソラナは、執筆時現在235ドル付近を推移している。昨日、前日比4.05%下落し、最高値は273.26ドルで最安値は229.44ドルを付けた。
日足は3日連続で続落した。乱高下の激しい相場となっており、史上最高値を19日に更新してからは利益確定売りの下落が目立っている。昨日と一昨日の最安値は230ドル付近で、フィボナッチ・リトレースメントで50%戻しの地点で価格を維持しようとする動きが見られる。また、利益確定売りに加えて、ソラナ基盤のトランプ大統領公式ミームコイン「$TRUMP」が急落し、ソラナも連動したことも下落要因として考えられる。
4時間足では、ダブルトップが完成しようとしている。ダブルトップのネックラインは230ドル付近と推測され、下抜けた場合は有効な下落シグナルとなる。現在、ローソク足はフィボナッチ・リトレースメントで50%戻しのラインと、過去の上昇平行チャネルの上限線が重なるところに位置している。今後230ドルを明確に下抜けた場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しと中期移動平均線が重なる220ドル付近まで下落する展開が予想される。
リップル(XRP):価格上昇一服し、短期足でレンジを形成
リップルは、執筆時現在3.08ドル付近を推移している。昨日、前日比5.01%上昇し、最高値は3.36ドル、最安値は2.90ドルを付けた。
日足ローソク足は上影陽線で確定し、上値が重いことを示している。直近では、史上最高値や2018年最高値付近の抵抗帯で抵抗される動きを見せている。史上最高値を更新した際にRSIは77付近まで上昇したが、現在65付近まで下落し、上昇が一服したような相場環境になってきた。今後、価格調整される場合、12月初旬から1月中旬にかけて形成していたレンジの上限が2.7ドル付近に位置しており、短期移動平均線も重なっているため、そこがサポートラインとして機能しやすいと推測される。
4時間足では横ばいを形成していることが確認できる。2.9ドル付近がレンジの下限値となっており、今後は底固めを形成することが予想される。このレンジの上抜け、つまりは史上最高値を再更新するためには、また新しいファンダメンタルズが必要になってくるだろう。リップルは今後、トランプ政権下でビットコインとイーサリアムに次ぐ米国で3番目の暗号資産ETF(上場投資信託)承認が期待されている。
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使用インジケーター
- トレンドライン
- 月足:白 週足:黄色 日足:緑 4時間足:赤 1時間足:青
- 水平線
- 最高値or直近高値:ピンク
- 最安値or直近高値:水色
- レジサポライン:紫
- SMA(単純移動平均線)
- 短期(25日):青
- 中期(50日):赤
- 長期(200日):緑
- ボリンジャーバンド
- 30SMA
- 20SMA
使用オシレーター
- MACD、RSI、出来高