仮想通貨ETP、5億ドル超流出|投資家の慎重姿勢が鮮明

JinaCoin編集部
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米国市場での流出が顕著、一部投資家はショートポジション拡大

資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は24日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、先週(2月17~23日)は5億800万ドル(約763億円)の流出を記録した。この流出により、過去2週間の合計流出額は9億2,400万ドル(約1,387億円)に達し、投資家の資金引き揚げが続いている。

コインシェアーズのリサーチ部門責任者ジェームズ・バターフィル氏が執筆したレポートでは、この売り圧力の増加について、米国大統領就任式後の貿易関税、インフレ、金融政策の不確実性を背景に、投資家の慎重姿勢が強まったことが影響していると分析されている。

地域別に見ると、今回の流出は米国市場が中心となった。米国では5億6,000万ドル(約841億円)が流出し、投資家のリスク回避姿勢が顕著になった。一方で、欧州市場では依然として資金流入が続いており、特にドイツは3,050万ドル(約45億円)、スイスは1,580万ドル(約23億円)の流入を記録した。

銘柄別では、今回の資金流出の中心はビットコインで、5億7,100万ドル(約857億円)が市場から流出した。さらに、一部の投資家はビットコインの下落を見越してショートポジションを拡大しており、ビットコインをショートする商品への流入は280万ドル(約4億円)に達した。

ビットコインが資金流出の中心となる中、アルトコインは依然として資金流入が続いている。その中でも、XRPは3,830万ドル(約57億円)の流入を記録し、アルトコインの中で最も注目を集めた。XRPは2025年11月中旬以降、累計で8億1,900万ドル(約1,230億円)の流入を達成しており、投資家の関心が依然として高いことがわかる。

レポートでは、XRPの流入が続いている理由として、米証券取引委員会(SEC)によるリップル訴訟の取り下げを期待する投資家心理が反映されていると分析されている。

仮想通貨市場は変動の激しい局面に突入しており、短期的な調整が続く可能性がある。ただし、機関投資家の関与が拡大する中で、長期的な成長の可能性も否定できない。投資家は市場動向を注視しつつ、適切なリスク管理を行うことが求められるだろう。

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