米暗号資産(仮想通貨)運用会社カナリー・キャピタル・グループは12日、ミームコイン「MOG(モグ)」の現物上場投資信託(ETF)に関する登録届出書(S-1)を米証券取引委員会(SEC)に提出した。承認されれば、ミームコインとして初の現物ETFとなる。MOGはイーサリアムネットワーク上のERC-20トークンで、2023年7月にインターネット・ミーム「Mog」に関連するコミュニティによって立ち上げられた。
ミームコイン特有のリスクを明記
届出書によると、カナリーMOG ETFはMOGの価格変動に連動することを目的としている。MOGの保有はカストディアンが管理し、純資産価値(NAV)は米東部時間午後4時時点で算出される。MOG ETFは取引所に上場予定だが、ティッカーシンボルや上場取引所名は未定だ。
MOGは総供給量420.69兆トークンで開始され、約30.1兆トークンがバーン(焼却)済みで、流通供給量は約390.6兆トークンとなっている。初期配分では総供給量の約12%がチームと初期支援者に割り当てられた。
届出書には「ブロックチェーンベースの実用性は発表されていない」と明記され、極めて投機的で高リスクな投資であると警告している。MOGの市場価値は、オンライン人気、文化的関連性、ソーシャル・センチメントによって推進されると説明されている。
ETFはMOGを100%現物保有する構成で、デリバティブは使用しない方針だ。ただし、イーサリアムネットワーク上での取引手数料支払いのため、最大5%のイーサリアムを保有する可能性がある。
届出書では「投資家は投資全額を失う可能性がある」とも注意喚起しており、ミームコイン特有のリスクを強調する内容となった。

MOGは14日14時10分時点で0.000000402ドルで取引されており、2023年後半の取引開始以降、大きな価格変動を繰り返している。2024年12月には約0.0000044ドルまで急騰したが、その後約90%下落し、現在は低水準で推移している。この高いボラティリティは、届出書で指摘された「極めて投機的」という性質を反映している。
カナリー・キャピタルは2024年9月に設立された新興企業だ。今回のMOG ETFが同社初のミームコインETF申請となる。同社は11月13日にリップル(XRP)の現物ETF(ティッカー:XRPC)をナスダックで上場させており、複数のアルトコインETF商品化を目指している。MOG ETFについてはSECが届出書を審査中だが、承認時期は不明だ。




