ビットコイン、クジラが買い増し小口は撤退──強気相場入りの兆しか

伊藤 将史
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10日間でウォレット数に顕著な変化=Santiment

オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Santiment(サンティメント)」は20日、ビットコイン市場において、大口保有者(クジラ)と小口保有者(シュリンプ)の動向が完全に逆方向を向いているとの分析を発表した。

サンティメントが公開したデータによると、ビットコイン価格が10万4,300ドル(約1,515万円)付近で推移する中、過去10日間でクジラとシュリンプのビットコイン保有量に顕著な変化が見られた。

  • 10 BTC以上を保有するウォレット(クジラ): 過去10日間で231ウォレット増加(+0.15%)
  • 0.001〜10 BTCを保有するウォレット(シュリンプ): 過去10日間で37,465ウォレット減少(-0.16%)
    (※ Xの投稿では+0.15%とあるが、減少しているため画像内の-0.16%が正しい数値と見られる)
ビットコインの大口・小口保有者のウォレット数の推移を示したチャート
BTC保有量別のウォレット数の推移。10 BTC以上を保有するウォレット(赤)は増加している一方で、10 BTC未満のウォレット(水色)は減少している

サンティメントは、この現象について「大口ウォレットが蓄積を進める一方で、個人投資家が自信を失っている時、それは歴史的に見て、暗号資産(仮想通貨)市場に強気の勢いが必然的に戻ってくるための正しい組み合わせだ」と指摘している。経験豊富な大口投資家が将来的な値上がりを見越して着実に買い増しを進める一方で、短期的な市場の雰囲気に影響されやすい小口投資家は手放している、という構図になっているようだ。

直近のビットコイン価格は高値圏で停滞し、方向感が見えない状況が続いている。価格の動きだけでは見えない投資家層の行動の違いを浮き彫りにするこのような分析は、市場のセンチメントをより深く理解する上で、重要な情報と言えそうだ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.27円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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