タッチ後に反発上昇、過去最高値を再び更新
暗号資産(仮想通貨)トレーダー兼アナリストのMags氏は9日、自身の公式Xでビットコイン(BTC)の相場動向に対する見解を示した。同氏は多くの投資家が「弱気相場への突入」を懸念していると前置きしたうえで、「弱気転換・転換否定の鍵となるのは50週移動平均線である」と投稿で強調している。
Mags氏は「50週移動平均線は良い買い場となることが多い」と指摘し、過去の反発実績を根拠に挙げている。同氏が共有したビットコイン週足チャートを確認すると、過去の価格推移では50週移動平均線にタッチすることで反発上昇を見せた局面が複数回確認できる。このラインが投資家心理の節目として強く意識されているテクニカル指標のひとつであることは明らかだろう。
しかし、Mags氏は価格が仮に50週移動平均線を下回った場合、弱気相場が始まる可能性があると指摘している。これまで意識されてきたサポートを下抜けると、投資家の目線は下方向へ切り替わる。そうなれば強い売り圧を招くことはもちろん、仮に50週移動平均線を下抜けし、反発上昇したとしても今度は50週移動平均線がその上昇を阻むレジスタンスとして機能する可能性に警戒が必要となる。
執筆時点でのビットコインは実際に50週移動平均線にタッチした後、力強い反発上昇によって前回高値を実体ベースで上抜けた。現在価格は110,958ドルに達しており、過去最高値を更新したことで市場全体にポジティブなムードが広がっている。強気派の間では、さらなる上昇局面への期待感が高まっている状況だ。

とはいえ、現在価格と50週移動平均線の間には一定の乖離が生じている点に注意すべきだろう。過去の推移と同様にこの乖離を解消するための調整が入る可能性があり、上昇一辺倒のシナリオには慎重な姿勢が求められる。テクニカル的な過熱感が意識されやすい局面であるため、短期的な売り圧力には注意が必要だ。
Mags氏の分析は、ビットコインの50週移動平均線が依然として市場の重要な分岐点であることを示している。現在は反発上昇しているものの、乖離による短期的な調整リスクも存在するため、楽観と慎重の両面から相場を見極める必要がある。今後も50週移動平均線との関係性に焦点を当てながら、ビットコイン価格動向を見守っていきたい。
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