ビットコインは週末も続落し、一時9万2,000ドル台に到達した。現在はやや反発するも買い圧力が弱く、引き続き厳しい展開を継続。オンチェーン上ではいくつかポジティブな兆候とともに、危機的な状況を示すデータも確認されている。
適正価格は12万6,000ドルというデータも
オンチェーンデータ分析プラットフォームのアルファ・エクストラクトは17日、公式Xにて「ビットコインが公正価格を大幅に下回っている」との見解を示した。
この見解の背景となったのは、金(ゴールド)価格の動向に合わせてビットコインの適正価格を割り出すGold Fair Value Model(ゴールド公正価格モデル)という指標。現在の適正価格である約12万6,000ドルに対し、実際の価格は9万5,000ドル付近と大きく乖離している。
また、モデルの下限バンドに価格が接触している点も指摘。このゾーンへの接触は、歴史的に価格の収縮やトレンド反転の初期段階に発生することがしばしばみられるとのこと。
金価格をベースにした適正価格の観点から、ビットコインが好ましいエントリータイミングに入りつつあるとアルファ・エクストラクトは分析している。
短期ホルダー利益比率が危機的水準まで低下
一方、オンチェーンデータ分析企業クリプトクオントのアナリスト、Darkfost氏は16日、「ビットコインが非常に危機的なレベルに接近している」と指摘。
今回の調整による下落率は投稿時点で約23%(17日現在は26%)で、近年発生した26%(2024年9月)、28%(2025年4月)の調整と比べても異常な数値ではない。
しかし含み益状態にある短期ホルダーの割合は68%と、弱気相場直後の2023年10月以来の水準まで低下しており、市場への影響力は過去最大。多くのデータがビットコインの危機的な状況を示しており、今後数週間の動向には細心の注意を払っておく必要があると警鐘を鳴らした。
クジラ買いが2週間連続で優勢、2月の底打ち直前と類似
クリプトクオントが提供するSpot Average Order Size(スポット平均注文サイズ)を見ると、クジラによる買い注文がここ2週間で活発化している。

このグラフに表示されているグリーンの円は、クジラによるビットコイン購入が優勢であることを示し、レッドは個人投資家優勢を示唆、グレーの円は中立状態を表している。5月以降はしばらく中立状態が続いていたが、11月に入りグリーン一色に。
また、比較的大きな円であることから、クジラによる連続した中規模以上の買いが発生していると考えられる。同じような現象は今年2月の底値形成期直前にも表れているが、今回も底値が接近しているシグナルとなるか、注目していきたいところだ。
オンチェーンでは参考にするデータによって「底打ち」または「危機的状況」と相反する見方ができるため、まだまだ先の展開は読みにくい状況だ。今はマクロ経済、相場環境を注意深く観察し、今後の方向性をしっかりと見定めることが先決と言える。
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