「株式会社メタプラネット」(東証スタンダード:3350)は1日、2025年12月期の通期業績予想を大幅に上方修正すると発表した。
ビットコイン・インカム事業、第3四半期に過去最高の24億円を計上
今回の上方修正は、現金担保付ビットコイン・オプション取引を主軸とする「ビットコイン・インカム事業」が、想定を大幅に上回るペースで成長していることが主な要因だ。
同社が開示した2025年12月期第3四半期の業績によると、ビットコイン・インカム事業は当四半期だけで24億3,800万円の収益を計上。これは、前四半期(11億3,100万円)と比較して115.7%増という驚異的な成長率であり、過去最高の四半期売上高を更新した。
この好調な業績を受け、メタプラネットは通期の業績予想を大幅に見直した。
- 連結売上高:34億円→68億円(100.0%増)
- 連結営業利益:25億円→47億円(88.0%増)
当初、売上高34億円のうち30億円をビットコイン・インカム事業で見込んでいたが、今回の修正で同事業の売上高見通しを63億円へと引き上げた。
成長戦略「Phase II」を発表、2027年までにBTCシェア1%を目指す
さらにメタプラネットは同日、「METAPLANET PHASE II」と題した今後の成長戦略に関する資料を発表した。
現在好調な「ビットコイン・インカム事業」と、企業の財務資産としてビットコインを長期保有する「ビットコイントレジャリー事業」に加えて、さらに新たな収益源と資金調達手段を組み合わせることで、1株当たりのビットコイン保有量を最大化することを目的とするものだ。
Phase IIの中核となるのが、「永久型優先株式」の発行だ。これは、普通株式の希薄化を伴わずにレバレッジを効かせ、ビットコインの蓄積ペースを加速させるための新たな資金調達手段となる。同社は、1,100兆円もの現預金を持つ日本の家計資産と、約0.5%という低金利環境に着目。上限6%の想定配当率を提示し、安定した利回りを求める日本の投資家層に、BTCを裏付けとする新しい金融商品を提供することを目指している。
この優先株式の配当原資となるのが、ビットコイン・インカム事業と、今後本格的にローンチする2つのプラットフォーム事業だ。
- Bitcoin.jp:日本におけるビットコイン関連情報・教育・サービスの総合No.1プラットフォームを目指す。
- Project NOVA:詳細は近日公開予定とされているが、同社が累計約4,900億円規模の市場取引を通じて把握した「市場の非効率」を解消することを目指す事業であり、2026年より稼働予定。
これらの事業が生み出す収益で優先株の配当を行い、さらにその収益力を背景に優先株の追加発行をすることで、普通株主の権利を希薄化させることなく、持続的にビットコインを蓄積していくという強力なサイクルを構築することを目指す。
発表資料においてメタプラネットは、「2027年までに日本のビットコイン市場シェア1%を獲得する」と宣言している。日本におけるビットコイントレジャリー戦略の第一人者として、今後も同社の動向は注目を浴びそうだ。
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