暗号資産(仮想通貨)運用大手のビットワイズは15日、上場企業によるビットコイン保有状況に関する2025年第3四半期(7月〜9月)の調査レポートを公開した。
上場企業のビットコイン保有量は総供給量の4.87%に
レポートによると、ビットコインをバランスシート上に保有する上場企業は世界で172社に達し、わずか3カ月で48社が増加、前期比で38.7%増と急拡大していることが明らかになった。
その他にも、ビットワイズは以下の通りさまざまなデータを公開している。
総保有BTCと資産価値
172社が保有するビットコインの総量は102万BTCに達した。これは、ビットコインの総供給量(2,100万BTC)の約4.87%に相当する。また、保有量は前期比で20.87%増加した。
2025年9月30日時点の価格(1 BTC=114,402ドル)で換算すると、その総資産価値は前期比で28.33%増の1,170億ドル(約17.6兆円)に上る。
保有量トップ5企業
保有量で他を圧倒しているのは、以前からビットコインの積極的な購入で知られるストラテジー社で、その保有量は64万BTCを超えている。マイニング企業であるマラ・ホールディングスが2位に続く。
特筆すべきは、日本のメタプラネットが4位にランクインしている点だ。同社は第3四半期に保有量を2倍以上に増やしている。
四半期ごとの保有量の推移
レポート内のグラフは、上場企業によるビットコイン保有量が2020年以降、一貫して右肩上がりであることを示している。特に2024年以降、その増加ペースは急激に加速していることがわかる。
2025年第3四半期には178,762 BTCが新たに購入されており、これは過去のどの四半期よりも大きな増加幅となっている。
第3四半期の主な動向
ビットワイズは、この四半期における企業導入を象徴する動きを挙げている。
- ストラテジーの追加購入:同社はこの四半期だけで40,000 BTC以上を買い増した。
- ブリッシュ社の上場:24,000 BTC以上を保有する暗号資産企業ブリッシュが株式を公開した。
- 初のM&A:ビットコインを財務資産として保有する企業同士の、初の大規模M&A(合併・買収)が成立した(ストライブがセムラーサイエンティフィックを買収)。
- 過去最大のSPAC(特別買収目的会社):Bitcoin Standard Treasury Companyが、15億ドルのPIPE(上場企業による私募増資)を伴うSPACとの合併を発表した。
- メタプラネットの急成長:日本のメタプラネットがビットコイン保有量を2倍以上に増やした。
ビットワイズのデータからは、企業によるビットコイン保有は、もはや初期の実験的な段階を終え、新たな成長フェーズに入ったと言えるだろう。ビットコイン価格の動向と共に、トレジャリー企業の動向も注視したいところだ。
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