スペイン大手銀行「BBVA」、ビットコインとイーサリアムの取引・保管へ

JinaCoin編集部
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アプリで仮想通貨取引へ|個人向けに段階的拡大

スペイン第2位の銀行である「BBVA」は10日、スペインの証券市場委員会(CNMV)から暗号資産(仮想通貨)の取引注文の執行および保管サービスの提供について承認を受けたと発表した。同行は今後数カ月かけて、個人顧客向けにビットコインおよびイーサリアムの取引サービスを展開する予定だ。

BBVA公式Xポスト

プレスリリースによると、この新サービスは、口座管理や投資など通常の銀行サービスと並んで、アプリ内で仮想通貨の取引注文を直接管理できる仕組みとなる。当初は少数のユーザーを対象にサービスが開始され、今後数カ月以内に、段階的にスペイン国内の個人顧客全体へと拡大する予定だ。

この新サービスの特徴の一つは、BBVAが独自の暗号鍵保管プラットフォームを使用する点である。これにより、第三者に依存することなく、同行が顧客の資産の安全性を直接管理できる。ただし、同行は投資助言サービスを提供せず、顧客自身の判断で取引を行う形式となる。

BBVAスペインのリテールバンキング責任者であるゴンサロ・ロドリゲス氏は、「顧客が簡単かつ安全に仮想通貨へ投資できるよう、モバイルアプリを通じた完全デジタルのサービスを提供する。BBVAならではの信頼性と安全性を背景に、顧客がデジタル資産市場を探求できる環境を整えたい」と述べた。

BBVAは、金融サービスにおけるブロックチェーン技術の可能性を10年以上にわたり研究しており、規制の整備された市場において仮想通貨関連サービスの展開を進めてきた。

すでにスイスでは、2021年6月よりプライベートバンキングの顧客向けにビットコインの保管・取引サービスを開始。その後、イーサリアムやUSDCを追加し、機関投資家へのサービス提供を強化してきた。また、トルコでは、BBVAの子会社である「Garanti BBVA(ガランティBBVA)」が2023年に仮想通貨のカストディサービスを開始し、ビットコインやイーサリアムをはじめ、ソラナXRP、アバランチ、チリーズなど多様な仮想通貨の管理を行っている。

今回のBBVAの動きは、伝統的な金融機関による仮想通貨市場への本格参入を象徴するものだ。これまで仮想通貨取引は、専業の取引所が主なプレイヤーであったが、大手銀行の参入により、より規制の整った環境での取引が可能になり、個人投資家の選択肢が広がることが期待される。

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