コインマーケットキャップが6日に公開したPerp DEX取引量ランキングで、興味深いデータの乖離が浮き彫りになった。1位のAster(アスター)は417.8億ドルの圧倒的な取引量を記録したが、オープンインタレスト(OI)との比率分析により、エアドロップ狙いのトレーダー行動が示唆される結果となっている。
Perp DEX取引量とOI比率が示すトレーダー行動の違い──真の流動性はどこにあるか
最も注目すべきは、取引量とオープンインタレストの関係性だ。1位のアスターは取引量417.8億ドルに対しOI48.6億ドル(比率約8.6:1)、2位のLighter(ライター)も取引量101.3億ドルに対しOI20.8億ドル(比率約4.9:1)、4位のedgeX(エッジエックス)も取引量45.8億ドルに対しOI13.2億ドル(比率約3.5:1)と、いずれも取引量に比してOIが相対的に少ない。

一方、3位のHyperliquid(ハイパーリキッド)は取引量90.2億ドルに対しOI146.8億ドル(比率約0.6:1)を記録。この差は、上位DEXでエアドロップを狙う短期トレーダーが頻繁に売買を繰り返す一方、ハイパーリキッドには長期ポジションを維持する本格的なトレーダーが多いことを示唆している。
この仮説を裏付けるように、オンチェーン分析プラットフォーム「DeFiLlama」は最近アスターのデータを暗号資産取引所最大手バイナンスとの取引量類似性を理由に削除した。DeFiLlamaの共同創設者0xngmi氏によると、アスターのXRP取引量はバイナンスの取引量と約1:1の相関関係を示し、「有機的な分散型注文フローは通常このように一致しない」として、ウォッシュトレーディングの可能性を指摘している。
アスターはバイナンス共同創設者のCZ氏がアドバイザーを務めており、エアドロップ期待が高まっている状況だ。取引量は大きいがOIが少ないパターンは、トークン配布を狙った短期的な取引活動の特徴と一致する。
5位以下のApeX Protocol(取引量13.1億ドル、OI9,488万ドル)、Paradex(取引量11.9億ドル、OI5億4,538万ドル)も同様の傾向を示しており、新興DEXにおけるエアドロップ狙いの取引行動が業界全体の課題となっている可能性がある。
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