元BitMEX CEOのアーサー・ヘイズ氏が設立したMaelstrom Fund(メイルストロム・ファンド)が主導し、AI駆動の分散型科学(DeSci)プラットフォーム「Bio Protocol(バイオ・プロトコル)」が690万ドル(約10億円)のシード資金調達を完了したと発表した。この資金調達により、同プロトコルはバイオテクノロジー研究の資金調達と創薬発見を革新するフルスタックプラットフォームへと発展する。
「コミュニティ主導の科学研究」に賭けるヘイズ氏の戦略
今回の資金調達ラウンドにはメカニズム・キャピタル、アニモカ・ブランズ、プレスト・ラボなど多様なバイオテック・暗号資産投資家のシンジケートが参加した。
メイルストロム・ファンドのファウンダーであるアーサー・ヘイズ氏は「Bioは学術界だけでなく、コミュニティが魅力的と感じる科学研究に資金提供するカテゴリー定義型ローンチパッドになろうとしている。これが機能すれば、単なるローンチパッドではなく、AIネイティブ研究市場の誕生だ」とコメントしている。
Bio V2で革新的資金調達システム導入
資金調達と同時にローンチされた「Bio V2」では、分散型科学AIエージェント(BioAgents)とトークン化知的財産向けの「Ignition Sales」、貢献度に応じて報酬を与える「BioXP」システム、BIOトークンステーキング機能を導入している。
8月にローンチされた最初のBioAgent「Aubrai(オーブライ)」は、長寿研究の権威オーブリー・デ・グレイ博士との提携により開発され、$AUBRAIトークンがプリセール時から150倍の価値上昇を記録。運用開始数週間で90万ドル以上の研究資金を生成し、1,000以上の科学的仮説をオンチェーンでミントしている。
従来製薬モデルを迂回した迅速開発
バイオ・プロトコルは既に従来のバイオテクノロジーコストの一部で臨床現実に向かうプロジェクトを支援している。UAEでフェーズ2臨床試験に進むVITA-FASTや、患者への投与を開始したVitaRNAプログラムなど、複数のプロジェクトが月単位での迅速な開発を実現している。
バイオ・プロトコルの創設者兼CEOであるポール・コールハース氏は「AI、バイオテック、暗号資産を分散型プラットフォームで統合することで、研究者や市民科学者がより効率的に協力し、最初期段階から有望なバイオテックを支援できる」と述べている。
同プロトコルは2024年以降、世界中の研究者に5,000万ドル以上の科学研究資金を提供しており、世界的な従来科学研究資金削減の中で重要な代替手段を提供している。