「デジタルゴールド」への本格投資、アパレル企業が投資事業に参入
アパレル企業として知られる株式会社ANAPホールディングス(東証スタンダード、コード:3189)は16日、ビットコインを約2億円分購入したことを発表した。今回の購入は、同社が新たに設立した連結子会社「株式会社ANAPライトニングキャピタル」を通じて実施された。
発表によると、購入したビットコインの数量は16.6591BTC、投資金額は199,975,438円。購入日は2025年4月16日である。同社は本年2月3日付でANAPライトニングキャピタルを設立し、投資事業を新たな収益源として展開する方針を打ち出しており、今回のビットコイン購入はその一環となる。
ビットコインに投資する背景について同社は、ビットコインがブロックチェーン技術に基づく堅牢な仕組みを持ち、供給量が発行上限によって制限されていることから、いわゆる「デジタルゴールド」として世界的に評価が高まっている点に着目した。また、2024年には米国や香港でビットコインETFが発行されるなど、金融商品としての環境整備が加速しており、グローバル市場での存在感が一段と強まっている。
こうした動向を踏まえ、ANAPはビットコインを米ドルや金に並ぶ世界の基軸資産と捉え、中長期的に日本円に対する価値上昇の可能性があると判断した。また、米国では国家戦略資産としての活用も議論されており、ビットコインの重要性は今後さらに高まると見られている。
今後の運用およびリスク管理については、ANAPライトニングキャピタルが中心となって行う方針だ。ビットコインの保有残高は四半期ごとに時価評価され、その評価損益は損益計算書に反映されるという。なお、保有資産の評価変動が連結業績に著しい影響を及ぼす場合には、速やかに情報開示を行うとしている。
今回のANAPによるビットコイン投資は、新たな収益源の確保と分散投資の好例である一方で、高い価格変動リスクを常に伴う点にも留意が必要である。暗号資産(仮想通貨)への本格参入を検討する企業は、堅固なリスク管理体制の構築と継続的な情報開示が不可欠となるだろう。
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