アパレル事業を展開する「株式会社ANAPホールディングス(東証スタンダード:3189)」は22日、連結子会社の「株式会社ANAPライトニングキャピタル」を通じてビットコイン(BTC)を追加購入したと発表した。購入日は8月21日、数量は6.261 BTC、取得総額は約1億530万円。
総保有量は1,006 BTC、含み益は20億円に
今回の取得により、グループの保有残高は1,006.3 BTC、累計投資額は148億円超に到達した。平均取得単価は1 BTCあたり約1,474万円。足元の市場価格に基づけば約20億円の含み益が生じているという。
注目すべきは、8月のビットコイン価格が900万〜1,000万円で推移している中での追加購入だ。同社の平均取得単価を大きく下回る水準での買い増しは、割安局面を狙った戦略的判断とみられる。
今回の発表は、2025年に入ってから通算15回目のビットコイン購入公表となる。7月以降だけでも7回にわたり購入を開示しており、直近の8月13日発表分(86.6 BTC、約15.3億円)からわずか8日後の動きだ。短期間での積極的な積み増し姿勢が際立つ。
ANAPは6月に「ビットコイン事業開始」を宣言し、同子会社を通じて取得・運用を行っている。保有残高は四半期ごとに時価評価され、評価損益を損益計算書に反映する方針だ。さらに8月21日にはビットコイン特化型イベント「BITCOIN JAPAN 2025」の開催を発表。アパレル企業である同社が暗号資産(仮想通貨)領域へ急速に踏み込んでいることを印象づけた。
ANAPは半年あまりでここまで規模を拡大しており、1,000 BTC超という保有量は国内でも際立つ水準だ。短期間で大口保有者の地位に達したことは、同社の積極的な投資姿勢を強く印象づけている。
仮想通貨市場は世界的な金融政策や規制動向に影響を受けやすいとされるため、同社の財務や株価にも影響を及ぼす可能性がある。一方で、22日正午時点の株価は前日比ほぼ横ばいの721円前後にとどまり、市場の反応は限定的だ。今後も買い増しを続けるのか、それとも一定水準で保有を安定化させるのか、投資家や市場関係者から高い関心が集まっている。

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