米国の暗号資産プラットフォーム「クリプトドットコム(Crypto.com)」の共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるクリス・マーシャレック氏は、6日、AI.comドメインを7,000万ドル(約110億円)で取得したことを公式に発表した。フィナンシャルタイムズによると、取引は全額暗号資産で決済され、史上最高額の公開済みドメイン取引となった。
マーシャレック氏は2025年4月にドメインを取得し、以降、専門チームを編成してAIエージェント・プラットフォームの開発を進めてきた。2026年2月8日のスーパーボウルLX期間中にテレビCMを放映し、翌9日午前10時にベータ版サービスを正式に公開した。
史上最高額のドメイン取引を実現
AI.comドメインは2025年3月に1億ドルの価格で売りに出されていた。取引仲介者のラリー・フィッシャー氏(GetYourDomain.com)によれば、最終的にマーシャレック氏が7,000万ドルで購入契約を締結し、売り手はアーシャン・イスマイル氏であることが確認された。
従来の最高額ドメイン取引記録は、2010年のCarInsurance.com(4,970万ドル)、2007年のVacationRentals.com(3,500万ドル)、2019年のVoice.com(3,000万ドル)などが挙げられる。AI.comは、これらすべてを上回る単独首位の記録となった。
完全機能型PCを備えたAIエージェント
AI.comプラットフォームは、ユーザーが数クリックで個人専用のAIエージェントを作成できる仕組みを提供する。マーシャレック氏は2月9日のX投稿で「各エージェントは完全機能型PCを搭載しており、単なるチャットではなく、実際にユーザーのために行動できる」と説明した。
具体的な機能として、メール管理、会議スケジュール調整、電話での予約手配、不要なサブスクリプションの解約、買い物代行、旅行計画、デート相手や顧客の発掘、営業アポイントメント設定、請求書管理、ビジネス運営、資産管理などが挙げられる。
AI.comの公式プレスリリースによると、エージェントは現時点で実行できないタスクについても、自律的にコードを記述して完遂する能力を持つ。すべてのユーザーデータは、ユーザー固有の鍵で暗号化された専用セキュア環境で処理され、プライバシーと制御権がユーザー側に維持される。
AI.comは、2週間前にバイラル化したオープンソースのエージェント・フレームワーク「OpenClaw(オープンクロー)」の世界初の一般向け実装として位置づけられる。マーシャレック氏は「技術スキルなしで使えるように設計し、データの安全性を確保するためにセキュリティを強化した」と述べた。
マーシャレック氏はフィナンシャルタイムズに対し「AIは今後10〜20年で生涯最大の技術革新の波になる。このタッチポイントを所有することで、コモディティ化を避けられる」と語った。
大規模投資の実績
マーシャレック氏は、カテゴリー定義型ブランドへの大規模投資で知られる。クリプトドットコムは2016年にモナコとして発足し、その後Crypto.comドメインを推定500万〜1,000万ドルで取得した。同社はロサンゼルスのステープルズ・センターの命名権を7億ドル(約1,097億円)で獲得し、クリプトドットコム・アリーナに改名したほか、俳優マット・デイモンを起用した広告キャンペーンに1億ドル(約157億円)を投じている。
AI.comは、ベータ版として無料でアクセス可能で、追加機能を利用できる有料サブスクリプションも提供される。マーシャレック氏は、AI.comとクリプトドットコムの両社でCEOを兼任する。
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