暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイの関連会社であるウィンクルボス・アセット・サービシズは6日(米国時間)、Zcash(ジーキャッシュ、
ZEC)の現物ETF「Winklevoss Zcash ETF」の登録届出書(S-1)を米証券取引委員会(SEC)に提出した。ナスダックへの上場を目指し、ティッカーはWINK。手数料は年0.25%で、すでに上場しているグレースケールのZcash ETFの10分の1である。
ウィンクルボスのZcash ETF、ジェミナイが保管し現金で設定
申請書によると、ETFはZECを保有し、その価格への連動を目指す。保有するZECは、ジェミナイのカストディ部門であるジェミナイ・トラスト・カンパニーが、コールドストレージで保管する。同社は運用会社の関連会社で、申請書は利益相反の可能性をリスク要因に挙げている。
申請書の冒頭の説明では、口数の設定と交換は現金で行い、指定参加者はZECを直接扱わない。
運用会社は10月1日に設立された。手数料の年0.25%には、管理事務や保管などの通常の運営費用が含まれ、運用会社が負担する。
ウィンクルボス・キャピタル・ファンドの関連会社は、最大1億ドル(約158億円)分のETFを購入する意向を示した。ただし、申請書は拘束力のある約束ではないとしている。
サイファーパンク・テクノロジーズとは、Zcashエコシステム・パートナーとして契約した。保有者投票の支援や、プロトコルの技術動向に関する助言などを受ける。価格の指標や管理事務会社、初期出資の金額は、申請書ではまだ空欄になっている。
WINKとグレースケールZCSHの比較、手数料は10分の1
米国では、グレースケールが8月25日、Zcash ETF「ZCSH」をNYSEアーカに上場している。2017年に組成した既存の投資商品を転換したもので、上場日の運用資産残高は約3億459万ドル(約483億円)だった。
| 項目 | WINK(ウィンクルボス) | ZCSH(グレースケール) |
|---|---|---|
| 状況 | 登録届出書を提出(10月6日) | NYSEアーカに上場(8月25日) |
| 上場先 | ナスダック(予定) | NYSEアーカ |
| 手数料 | 年0.25% | 年2.50% |
| 保管 | ジェミナイ・トラスト・カンパニー(運用会社の関連会社) | コインベース・カストディ・トラスト・カンパニー |
グレースケールは、ZCSHの手数料の全額を、登録の効力発生から最大12カ月間、Zcashエコシステムの開発とZCSHの販促に充てるとしている。
ウィンクルボス兄弟は、Zcashの開発団体にも資金を出してきた。スイスを拠点とするシールデッド・ラボは1月20日(米国時間)、タイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏から3,221 ZEC(約120万ドル、約1.9億円)の寄付を受けたと発表した。
2023年に続く2回目の寄付で、シールデッド・ラボの開発計画に充てるという。
申請書が開示したZcashの脆弱性、ETFは保有者投票に参加せず
申請書は、5月下旬にシールデッド・ラボの研究者が、秘匿取引のプールの1つであるオーチャードに、偽のZECを作り出せる脆弱性を見つけたと記載している。2022年の導入時から存在し、6月初めの緊急アップグレードで修正された。
開発者は悪用の証拠はないとしているが、秘匿取引の性質上、悪用がなかったと暗号的に確かめる方法はないという。7月28日のアップグレード「アイアンウッド」(NU6.3)では、オーチャードへの新規入金や内部送金を止め、新しい秘匿プールを導入した。
申請書は、ETFがZcashの保有者投票に参加しない見通しだとも明記した。投票には、自己管理のウォレットで秘匿したZECを持つ必要があるためだ。
次のアップグレード「NU7」は、ブロック生成の間隔を75秒から25秒に縮める内容で、メインネットでの有効化は11月5日が目標とされる。申請書によると、テストネットでの有効化は10月6日の予定で、メインネットに進むかの最終判断は10月20日に予定されている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.42円)


