ヴァンエック、HYPEの現物ステーキングETFを米国で申請予定

伊藤 将史
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大手資産運用会社の「VanEck(ヴァンエック)」が、分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」のネイティブトークンであるHYPEの現物ステーキングETFを米国で申請し、さらに欧州でも同様のETP(上場取引型金融商品)を計画していることがわかった。10日、海外メディア「Blockworks(ブロックワークス)」が、同社の従業員への取材に基づき報じた。

欧州でもETP計画、投資家へのアクセス拡大狙う

ブロックワークスの取材に対し、ヴァンエックのデジタル資産商品ディレクターであるカイル・ダクルス氏は、HYPEが「Coinbase(コインベース)」のような米国の主要な暗号資産(仮想通貨)取引所にまだ上場していない点を指摘。「十分な需要がある」にもかかわらずアクセスが限定的であるため、同社のHYPEステーキングETFは「米国の投資家により良いアクセスを提供する」ものになると述べた。

さらにダクルス氏は、この投資商品の純利益の一部をHYPEの買い戻しに充てることを検討していると明かした。現在ハイパーリキッドは、プラットフォーム収益のほぼすべてをHYPEの買い戻しに利用しており、ヴァンエックのETFがこのモデルを踏襲すれば、HYPEの価値向上にさらに貢献する可能性がある。

具体的な申請時期については明言を避けたものの、ヴァンエックはこれまでもイーサリアム(ETH)ソラナ(SOL)のETFを他社に先駆けて申請しており、今回もその動向が注目される。

ハイパーリキッドは直近4週間、主要ブロックチェーンの中でネットワーク収益シェア首位を維持
4週連続で全ブロックチェーンの中でネットワーク収益トップを維持しているハイパーリキッド 出典:Blockworks Research

USDH発行権競争との関連は否定

この動きは、ハイパーリキッドのネイティブステーブルコイン「USDH」の発行権を巡る競争が激化する中で報じられた。この競争には、ヴァンエックのCEOであるジャン・ヴァンエック氏の息子、ニック・ヴァンエック氏が設立したステーブルコイン発行企業「Agora(アゴラ)」も参加している。

しかし、ダクルス氏は、今回のETF申請計画はアゴラのUSDH入札とは「完全に別個」のものであり、両社が別々の事業体であることを強調した。

ヴァンエックによる今回の申請計画は、ハイパーリキッドエコシステムとHYPEにとってさらなる流動性と広範なアクセス獲得に向けた一手になりそうだ。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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