自民・高市早苗総裁と維新・吉村洋文代表は、20日午後の党首会談において連立政権樹立の合意書に署名。21日に召集された臨時国会で自民党の高市早苗総裁が女性初の首相に指名された。
マーケットでは財政拡張・金融緩和を志向する高市首相の誕生を歓迎して、資産を増やすために投資家が積極的な投資を行うリスクオンの動きが加速。一般的に低リスク通貨と言われる円を売ってドルを買う動きが活発化したため、ドル円は151円台半ばをゆっくりと上昇を継続している。
加えて、日銀が今月中に利上げを実施するかどうかという点にも注目したい。金融政策の決定に関わる高田創審議委員は、20日の講演において「(利上げに向けて)機が熟した」との発言をしており、今月29日・30日に行われる金融政策決定会合にて利上げが実施されるかが焦点となる。
一般的に利上げが行われると日本円の需要が増加するため、円高に振れやすいとされており、高市相場が過剰に加熱するのを防ぐ役割になりそうだ。
ドル円(USDJPY)相場|一時は150円台半ばに下押しする場面も

フジテレビ系列のニュースサイト「FNNプライムオンライン」は21日午前、高市内閣において「財務相に片山さつき氏の起用が固まった」と報じた。
同氏は過去に「ドル/円は120円台の時期が長かったので、120円から130円、120円台が実力との見方が多い」との発言をしており、円安是正の動きが強まるのではないかとの懸念からドル円は一時150円台半ばまで下落した。しかし、高市相場の過熱感を一時的に冷やしただけで、ドル円はすぐに151.00円台に回復。高市相場の強さを見せた。
テクニカル面では、サポートラインとして150.00-150.40円台、レジスタンスラインとして151.20-151.40円台を意識したい。首班指名を前にレンジが形成されているが、高市内閣の誕生が正式に決まったことでレジスタンスラインを上抜ける動きが活発化している。
抜けた場合は151.20-151.40円台をサポートラインとして、次の節目である151.40円と151.75円に挑戦していく動きになるため、上昇トレンドを念頭に置いた押し目買いが狙い目となる。
ゴールド(GOLD)相場|高値圏に価格を戻す

17日に4,380.00ドル台を付けたのち調整局面に入り、一時は4,180ドル台まで下落したゴールド価格だが、21日は再び高値圏まで値を伸ばしてきた。ただし、大きく価格を更新する展開とはならず、まだまだ材料不足感は否めない。
テクニカルにおいては4,275.00ドル付近を意識したい。17日の急落で付けた安値におけるサポートライン、また18日の調整局面におけるレジスタンスラインとして機能しているため、現状から下落をするとしても4,275.00ドルというラインは強く効いてくるはずだ。
基本的には上昇トレンドとして考えつつも、4275.00ドルから4380.00ドルでのレンジ相場になると予想されるので、レンジ安値付近まで下落することがあれば積極的に買いを仕込んでも面白いだろう。
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