自民党と日本維新の会は20日、新たな連立政権の樹立で実質的に合意。維新の吉村洋文代表は20日午前の記者会見にて「(自民党との政策協議は)ほぼまとまった」と明言した。同日午後6時から東京都内で行われる自民・高市早苗総裁と維新・吉村洋文代表の党首会談において、連立政権樹立の文章に調印する見通しだ。
為替市場では積極財政や緩和的な金融政策などの景気刺激策を掲げる高市氏が選出される可能性が高まったことを受けて、ドル買い・円売りの流れが加速。米地銀の決済が堅調だったことを受けて信用不安への警戒が和らいだことも後押しの要因となった。
ただ自民党にとって楽観できない状況は続く。自民党と日本維新の会の議席数を合わせても231議席であり、過半数となる233議席には2つ足りない。高市氏優勢であるのは間違いないが、「番狂わせがあるのでは?」との疑念が払拭できない状態では強い高市トレードの再来とはいかないようだ。
ドル円(USDJPY)相場|円高が一服・材料待ちの状態

17日(金)に1ドル=149円台後半にまで円高が進んでいたドル円相場は、20日(月)に一時151.00円台まで回復。低リスク通貨といわれる円を売却してドルを買う動きが活発化しており、先週に引き続き、高市首相が誕生するか否かを巡って一喜一憂する投資家心理が伺える。
テクニカル面では150.00円台割れの勢いを作ることになった下落の直近安値である150.50円台に注目したい。サポートラインとして機能するようであれば、上値である151.20円台の更新も視野に上昇トレンドへの転換が見えてくる。
一方で150.50円台をしっかりと割り込んでくるようであれば、次のサポートラインとして150.00円台が意識され始める。20日・21日は政治的なイベントが多数予定されているため、テクニカルよりもファンダメンタルズ重視で相場を観察していこう。
ゴールド(GOLD)相場|高値圏から大きく後退・調整局面へ

10日から続いていた上昇トレンドは1トロイオンス=4,300ドル台後半を付けた後に大きく後退。米地銀の信用不安問題が和らいだことで、現物資産としてのゴールドの需要が落ち着いた形だ。
テクニカル面では、17日の高値圏推移中に付けた安値(4,275ドル台)をレジスタンスラインとして意識したい。上に強く抜けてくるようであれば、最高値付近まで一気に上昇してくることも考えられるが、上ヒゲ・下ヒゲが多く発生しており、まだ勢いが付くには材料が足りないように見える。
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