高市首相誕生の見通しでドル円151円台──自民・維新が連立実質合意

永田ヒロタカ
9 Min Read

自民党と日本維新の会は20日、新たな連立政権の樹立で実質的に合意。維新の吉村洋文代表は20日午前の記者会見にて「(自民党との政策協議は)ほぼまとまった」と明言した。同日午後6時から東京都内で行われる自民・高市早苗総裁と維新・吉村洋文代表の党首会談において、連立政権樹立の文章に調印する見通しだ。

為替市場では積極財政や緩和的な金融政策などの景気刺激策を掲げる高市氏が選出される可能性が高まったことを受けて、ドル買い・円売りの流れが加速。米地銀の決済が堅調だったことを受けて信用不安への警戒が和らいだことも後押しの要因となった。

ただ自民党にとって楽観できない状況は続く。自民党と日本維新の会の議席数を合わせても231議席であり、過半数となる233議席には2つ足りない。高市氏優勢であるのは間違いないが、「番狂わせがあるのでは?」との疑念が払拭できない状態では強い高市トレードの再来とはいかないようだ。

ドル円(USDJPY)相場|円高が一服・材料待ちの状態

2025年10月20日のドル円(USDJPY)の1時間足チャート
USDJPY価格チャート 出典:TradingView

17日(金)に1ドル=149円台後半にまで円高が進んでいたドル円相場は、20日(月)に一時151.00円台まで回復。低リスク通貨といわれる円を売却してドルを買う動きが活発化しており、先週に引き続き、高市首相が誕生するか否かを巡って一喜一憂する投資家心理が伺える。

テクニカル面では150.00円台割れの勢いを作ることになった下落の直近安値である150.50円台に注目したい。サポートラインとして機能するようであれば、上値である151.20円台の更新も視野に上昇トレンドへの転換が見えてくる。

一方で150.50円台をしっかりと割り込んでくるようであれば、次のサポートラインとして150.00円台が意識され始める。20日・21日は政治的なイベントが多数予定されているため、テクニカルよりもファンダメンタルズ重視で相場を観察していこう。

ゴールド(GOLD)相場|高値圏から大きく後退・調整局面へ

2025年10月20日のゴールド(金)の1時間足チャート
ゴールド価格チャート(対米ドル) 出典:TradingView

10日から続いていた上昇トレンドは1トロイオンス=4,300ドル台後半を付けた後に大きく後退。米地銀の信用不安問題が和らいだことで、現物資産としてのゴールドの需要が落ち着いた形だ。

テクニカル面では、17日の高値圏推移中に付けた安値(4,275ドル台)をレジスタンスラインとして意識したい。上に強く抜けてくるようであれば、最高値付近まで一気に上昇してくることも考えられるが、上ヒゲ・下ヒゲが多く発生しており、まだ勢いが付くには材料が足りないように見える。

関連:米地銀2行の信用不安が市場に波及──円・ゴールドなど安全資産に資金流入
関連:米中貿易摩擦の再燃懸念──ドル円・ゴールドはリスクオフの動き強まる

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
金融ジャンルを得意とするWebライター。投資歴は「FX10年」「株6年」「暗号資産3年」。テクニカルとファンダメンタルズの両面から相場を分析することで、中長期の安定したトレードが得意。保有資格:ファイナンシャルプランナー2級・AFP
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube

あなたのプロジェクトを広めませんか?

JinaCoinでは、プレスリリースや記事広告、バナー広告など複数の広告を提供しています。詳しい内容は下記お問い合わせページよりご連絡ください。

その他のニュース

Defコンサルティング、SBI系ビットポイントと業務提携──イーサリアムトレジャリー事業加速、日本No.1目指す

東証グロース市場上場のDefコンサルティング(4833)は20日、SBIホールディングス傘下の暗号資産(仮想通貨)交換業者ビットポイントジャパンとイーサリアム(ETH)トレジャリー事業の高度化を目的と…