29日は米政府閉鎖懸念が後退したことにより市場全体が小幅上昇。その後、その後、民主党関係者の批判的な発言が報じられ、アルトコインを中心に反落した。
テクニカル的に見ると、暗号資産(仮想通貨)全般が重要なレジスタンス・サポートラインに接近しており、今後のファンダ次第で大きな価格変動リスクをはらんでいる。
市場全体的には様子見ムード 米政府閉鎖と雇用統計を睨む動き

米政府閉鎖リスクが再燃したことで、市場は現在様子見ムード。「Polymarket(ポリマーケット)」では「10月1日に米国政府が閉鎖される」可能性が64%から78%へと急上昇している。
10月1日といえばADP雇用統計の発表の日でもある。指標が弱含んだ場合、追加利下げの可能性が強まり、強気相場の再開が期待できる。しかし、政府が一時閉鎖された場合、雇用統計の発表も延期されることになるため、市場の混乱は避けられないだろう。
一方で、市場では推定で約8割が織り込まれている分、問題が解決した際は仮想通貨全般が急騰する可能性も。
ここから2日間はリスク市場の命運を分けるターニングポイントとなりそうだ。
ETFに840億円流入 BTCのターン継続も下降チャネル上限での売り圧に警戒

ビットコイン(BTC)は現在日足レベルの下降チャネル内(白線で描画)で推移している。米政府の閉鎖懸念後退で一時大きく上昇したが、現在は小康状態。アルトコインに比べ底堅く推移しているが、下降チャネル上限に近づくほど売り圧が強まる可能性がある。逆に、チャネルを明確にブレイクした場合は、上昇トレンドへの転換が期待できるだろう。

1時間足のRSIは「買われすぎ」を示しており、短期的な調整がいつ来てもおかしくない状況だ。

一方、29日はビットコイン現物ETFの流入が約5億6,400万ドル(約835億1,100万円)と直近10日で最大となっており、機関投資家の強気な姿勢がうかがえる。

BTCドミナンスはここ数日上昇トレンドを形成しており、アルトコインからビットコインへの資金回帰が顕著となっている。
ETFフローやBTCドミナンスから、現在はビットコインのターンと考えていいだろう。米政府閉鎖、雇用統計という2大イベントをチャネル内で乗り切れるかがカギとなりそうだ。
ビットマインが約234,846 ETH(約1,473億円相当)追加購入 4,200ドルを明確に上抜けできるかがカギ

イーサリアム(ETH)は、4,000ドル台での底固めを終え29日に力強く上昇したが、上値は4,200ドル台の抵抗に抑えられ反落。明確に4,200ドルを下回ると、再び4,000ドル~4,200ドルのレンジ内を推移しそうだ。一方4,200ドルより上の価格帯を24時間以上維持できれば、4,600ドルまでの上値余地が見えてくるだろう。
ファンダ面では、イーサリアム財務戦略を進める「Bitmine(ビットマイン)」が29日、イーサリアムの総保有量が2,650,900ETHに達したと発表し注目を集めている。ビットマインは今後もイーサリアムの購入を続け、総供給量の5%保有を目指すとのこと。大きな買い支え要因があることから、今後もアルトコイン市場ではイーサリアムが投資家の関心を集めそうだ。
SOLは強力なレジタンスとフィボナッチ38.2%に上値阻まれる 明確に抜ければ大きな価格上昇の可能性

ソラナ(SOL)は190ドル付近のサポートゾーン(黄色枠で描画)から力強く反発し、一時215ドル近くまで上昇したが、過去に何度も抵抗されているレジスタンスゾーンに阻まれ、やや反落。現在は方向感の薄い値動きが続いている。

また、フィボナッチリトレースメントを見ると、現在の価格帯が直近安値からちょうど38.2%戻しの位置にあり、戻り売りが発生しやすい状況にある。強く意識されているレジスタンスゾーンも重なって、大きな売り圧がかかるのは避けられないだろう。
逆にもしこのゾーンを明確に上抜け、日足レベルで220ドル以上の価格帯を維持できれば、ショート損切を巻き込む可能性があり、大きな価格上昇が期待できる。
XRPは4時間足下降トレンド抜け サポートを確認できれば3ドル復帰も

XRPは4時間足レベルで続いていた下降トレンドライン(白線で描画)を上抜け、現在レジサポ転換を試す展開。下降トレンドライン上で再度反発できれば、3ドル手前の抵抗線(黄色ラインで描画)まで上値余地が出てくる。この抵抗線はかなり分かりやすく、多くのトレーダーに意識されているため、ショートエントリーや利益確定による売り圧が発生しやすく、すんなりと上抜けするのは難しいかもしれない。
とはいえ、米政府閉鎖問題の解決、雇用統計弱含みによる利下げ期待の高まりなど、複数の好材料が重なれば一気に上抜ける可能性も十分にある。3ドルより上の価格帯を最低でも24時間以上維持できれば、本格的な強気相場再開の兆しと考えていいだろう。
現在の仮想通貨市場は総じて重要な抵抗・サポートを試す展開にあるため、直近で注目される米政府閉鎖、雇用統計の2大イベントの結果次第で大きな価格変動を起こす可能性がある。今日明日はロング・ショートともに最大限の警戒が必要だ。
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