金地金販売の東証スタンダード上場、unbanked(アンバンク、8746)は16日、金地金を裏付けとする暗号資産(仮想通貨)Kinkaの事業を廃止し、関連する連結子会社3社を解散・清算すると取締役会で決議した。イーサリアム上で発行したKinkaは、10月30日17時(日本時間)を買取請求と金地金との交換請求の最終期限とし、回収した分をすべて焼却(バーン)して取り扱いを終える。同社は、事業を続けても採算の確保は難しいと判断した。
unbankedがKinka事業を廃止、販売低迷とカルダノ版の販売断念
Kinkaは2022年12月、英領バージン諸島の子会社Kinka(BVI),Ltd.を通じて発行され、海外居住者を対象に販売されてきた。2024年2月からは海外の中央集権型取引所(CEX)でも販売を始めたが、先行する競合商品が圧倒的なシェアを持っていたことなどから、販売は低調だった。
打開策として、2024年9月にカルダノの創設企業とパートナーシップ契約を結び、2025年4月にカルダノ上でもKinkaを発行した。
しかし、販売の対価となる米ドル連動型ステーブルコインUSDAを、予定していたCEXで扱える見込みがなくなった。分散型取引所(DEX)での販売も検討したが、取引相手の居住国の法令に触れるおそれがあるとして断念した。カルダノ版は販売実績がないまま、10月中に全量を焼却する。
9月30日に新体制となった経営陣が、事業の今後を議論したうえで廃止を決めた。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 10月30日17時(日本時間) | イーサリアム版Kinkaの買取請求・金地金との交換請求の最終期限。決済後、回収分を全量焼却 |
| 10月中 | カルダノ版Kinkaの既存発行分を全量焼却 |
| 11月〜2027年3月 | Kinka(BVI),Ltd.、一般社団法人ゴールド基金、合同会社ゴールドマネジメントの3法人を順次解散・清算 |
Kinkaの売上高は「金地金」セグメントに含まれ、2026年3月期の同セグメント売上高80億4,300万円に占める割合は0.1%未満だった。同社は業績への影響は軽微とし、子会社の清算費用として数百万円程度を見込む。
Kinka発行元の売上高は年2万6,000円、子会社3社の3期分の業績
開示資料には、清算する3社の直近3期分の業績が載っている。発行元のKinka(BVI),Ltd.の売上高は、2024年3月期が9,000円、2025年3月期が72万5,000円、2026年3月期が2万6,000円だった。
| 会社(事業内容) | 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| Kinka(BVI),Ltd.(暗号資産の発行・販売) | 売上高 | 9千円 | 725千円 | 26千円 |
| 当期純利益 | △16,496千円 | △10,325千円 | △5,132千円 | |
| 純資産額 | △15,556千円 | △25,882千円 | △31,014千円 | |
| ゴールドマネジメント(裏付けの金地金の管理) | 総資産額 | 42,977千円 | 45,131千円 | 11,347千円 |
| ゴールド基金(ゴールドマネジメントへの出資) | 当期純利益 | △1,600千円 | △1,628千円 | △1,655千円 |
Kinka(BVI),Ltd.は開示された3期のいずれも最終赤字で、純資産のマイナス幅は2026年3月期に3,101万4,000円まで広がった。資本金は1万ドル(約158万円)で、unbankedが全額を出資している。
金地金の管理を担う合同会社ゴールドマネジメントの総資産額は、2026年3月期に1,134万7,000円となり、前期の4,513万1,000円から約75%減った。
unbankedは、今後公表すべき事項が生じた場合には、速やかに知らせるとしている。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.89円)
