スイスの大手金融機関UBSのチーフエコノミストが6日、ビットコインに対し厳しい見解を示した。ポール・ドノバン氏は「暗号資産は資産ではなく、社会のごく一部が保有するだけ」と述べ、最近の市場変動が消費者行動に影響を与える可能性は低いと指摘した。
51%の急落、FTX崩壊に匹敵
ビットコイン
BTCは2025年10月の最高値約12万5,000ドルから今週最安値の約6万ドルまで急落し、下落率は51%に達する。5日の下落幅は2022年11月のFTX崩壊以来最大を記録した。
市場関係者の間では「クリプト・ウィンター(暗号資産の冬)」の再来を懸念する声が広がっている。ドイツ銀行のヘンリー・アレン氏は「昨日の下落は2022年11月以来の最悪のパフォーマンス」と指摘。暗号資産ニュースレター『ミルク・ロード』のシェビー・カッサー氏も「状況は悪化する」と悲観的な見通しを示す。
ジェフリーズのアナリスト、アンドリュー・モス氏によると、大口保有者(クジラ)は1月初旬から蓄積していたビットコインを週末からネット売り越しに転じた。「大口保有者は弱さに乗じて売却している」と分析する。
さらに、ビットコインETF(上場投資信託)からの資金流出も深刻だ。コインシェアーズのデータによると、先週は17億ドルの流出を記録し、2週連続の流出となった。1月19日週と26日週の流出額は開始以来2番目と3番目の規模で、特に米国からの流出が16.5億ドルと集中している。
ビットコイン投資で知られるマイケル・セイラー氏のストラテジー社も打撃を受けた。同社は71万3,502枚のビットコインを平均7万6,052ドルで取得したが、現在の価格は取得価格を大きく下回る。株価は前日に17%下落し、ピークから75%減少。時価総額は保有ビットコインの価値を数十億ドル下回る事態となっている。
同社は第4四半期の決算説明会で、ビットコインが90%下落しても転換社債をすべてカバーでき、今後2年半は配当を支払える十分な現金があると説明した。
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ジェフリーズのモス氏は「底に近づいていることを示す強気の指標はほとんど見られない」と指摘する。特に中小規模の保有者が押し目買いに動く兆候がないという。
一方、デジタル資産銀行シグナムのファビアン・ドーリ最高投資責任者は「市場は疲弊に近づき、ピークの恐怖領域にある」と述べ、反転の可能性も示唆した。
7日午後時点でビットコインは前日比9%上昇し7万1,000ドルで取引されているが、市場の警戒感は依然として強い。UBSの警告は、機関投資家の暗号資産に対する信頼が大きく揺らいでいることを象徴する発言といえる。
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