米アルファトン・キャピタル、1億ドル規模のTON財務戦略を始動

JinaCoin編集部
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ナスダック上場のバイオテック企業「Portage Biotech(ポーテージ・バイオテック)」は3日、社名を「AlphaTON Capital(アルファトン・キャピタル)」に改称し、「The Open Network(TON)」ブロックチェーンのネイティブトークン「Toncoin(トンコイン)」を対象に約1億ドル(約148億円)規模のトレジャリー(財務管理)戦略を開始すると発表した。新ティッカーは「ATON」で、TONの取得とエコシステム開発を柱に事業転換を進める。

TON保有とステーキングで収益確保、テレグラムアプリ支援も

TONブロックチェーンは、メッセージアプリ「Telegram(テレグラム)」との独占的提携を背景に急速にエコシステムを拡大している。テレグラムは、世界で10億人超の月間アクティブユーザーを擁するプラットフォームであり、トンコインはテレグラム内の広告や報酬機能で唯一の決済通貨として使われている。

同社はTONトークンを戦略的に保有しながら、ネットワークのバリデーションやステーキングによる収益獲得を進める計画だ。これによりネットワークのセキュリティを強化すると同時に、安定した収益基盤の確立を目指す。

さらに、TONエコシステムの開発にも注力する。対象はテレグラムのミニアプリやDeFi(分散型金融)、ゲーム、ビジネス向けツールなど多岐にわたる。テレグラムを通じてこれらを提供することで、ユーザーが手軽にTONベースのサービスを利用できる環境を整え、採用拡大を目指す。

資金調達は、約670万株の新株発行による私募増資で3,820万ドル(約56億円)を確保し、さらに「BitGo Prime(ビットゴー・プライム)」との間で最大3,500万ドル(約51億円)の融資契約を結んで実施される。融資で得た資金はトンコイン購入に充てられ、取得した資産は担保として保管される予定だ。

今回の戦略は、テレグラムという巨大な利用者基盤を直接活用できる点で独自性がある。ブロックチェーンの普及を阻む要因は「利用の複雑さ」にあるが、既存アプリからシームレスにアクセス可能となれば利用拡大は加速するだろう。TONが一般ユーザーに自然に浸透するかどうかは、アルファトン・キャピタルの未来を左右する重要な試金石となり得る。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.15円)

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