東証グロース上場の株式会社東京通信グループ(7359)は16日、最大1億円の暗号資産(ビットコイン)追加購入を常務会で決議したと発表した。同社は今年6月にGameFi領域参入を目的とした暗号資産購入方針を発表しており、今回のビットコイン追加購入により事業戦略と財務戦略の両面で暗号資産活用を本格化させる。
余剰資金運用から戦略的トレジャリーへ、二段階アプローチ
同社は6月30日発表の「GameFi領域における事業の拡大を企図した暗号資産(ビットコイン)の購入」に基づき、2025年7月中に試験的購入を完了している。この購入は「金額として軽微」として非開示だったが、ブロックチェーンゲーム開発におけるプレイヤーへのビットコインインセンティブ付与に向けた準備として実施された。
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今回の最大1億円追加購入について、同社は「余剰資金の一部を活用し、次回の事業投資までの期間における一時的な運用手段」と位置付けている。一方で「将来的には財務戦略上の保有方針(いわゆる戦略的トレジャリー)として位置付けることも視野」に入れており、高ボラティリティ資産への計画的積立保有も検討していることを明らかにした。
購入時期や銘柄については「市場の状況を踏まえながら購入」するとし、柔軟なアプローチを採用する方針だ。
6,400超の既存ゲーム資産をGameFi化、両利きの戦略
同社のGameFi戦略は二段構えとなっている。まず、これまで蓄積した6,400を超える既存ゲーム資産の中から有望コンテンツを選出し、GameFi仕様への改良を進める。並行してGameFi完全特化の新規タイトル開発も実施し、新ユーザー獲得と収益機会創出を図る。
プレイヤーがゲームプレイにより獲得する経済的インセンティブとしてビットコインを付与する仕組みにより、「カジュアルゲームとGameFiエコノミーの融合による新たな事業モデル」構築を目指す。
四半期時価評価採用、2025年12月期業績への影響は軽微
会計処理については、保有暗号資産を四半期ごとに時価評価し、評価損益を損益計算書に計上する。ただし、「当該暗号資産購入による2025年12月期業績への影響は軽微」としている。
同社はカジュアルゲーム市場で確固たる地位を築き、ダウンロード数日本一の実績を持つ。GameFi領域への参入により、新たな経済圏創出に挑戦する構えだ。
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