Sui、ネイティブステーブルコイン「USDsui」を発行へ──規制対応と相互運用性を両立

ヤマダケイスケ
10 Min Read
Highlights
  • Sui、米ドル連動型のネイティブステーブルコイン「USDsui」を年内ローンチ予定
  • GENIUS法準拠を目指し、DeFiや国際決済など多様な用途での利用を想定
  • 収益をエコシステムや投資プログラムに再投資する循環型モデルを採用

レイヤー1ブロックチェーン「Sui(スイ)」は12日、「Bridge(ブリッジ)」が展開するステーブルコイン発行基盤「Open Issuance(オープン・イシューアンス)」を通じ、ネイティブステーブルコイン「USDsui」を発行すると発表した。Suiエコシステムにおける基軸通貨として設計されるこのステーブルコインは、今年中にもローンチされる予定であるという。

収益の再投資でSuiエコシステム拡大に期待

Suiによると、USDsuiはステーブルコインの法的枠組みを整備する「GENIUS法」の準拠を目指しており、適正な監督のもとで発行される規制対応型のデジタルドルとしての役割を担う。この設計により、DeFi(分散型金融)領域だけでなく、実社会での支払い・送金・国際決済など、多用途にわたる金融インフラでの利用が想定されている。

また、USDsuiはローンチ後、Sui上のウォレットやDeFiプロトコルにとどまらず、Bridgeを介すことで他のプラットフォーム環境とも連携。具体的には、Hyperliquid(ハイパーリキッド)MetaMask(メタマスク)といった主要プラットフォームと接続し、ステーブルコイン同士の相互運用性を実現するという。

なお、USDsuiで得られた収益は、Suiエコシステムの成長と投資プログラムへ再投資される仕組みとなっている。Suiエコシステムの持続可能な発展を目指す循環的な経済モデルが、USDsuiの登場によって実現する形だ。

Suiによると、同ネットワーク環境ではすでにステーブルコインの利用が活発であるという。発表によれば、2025年8月から9月の短期間で、Sui上では合計4,120億ドル(約63兆円)の移動量を処理。こうした背景から、ネイティブ通貨としてのUSDsuiに対する需要は極めて高いとみられる。

Suiの開発企業「Mysten Labs(ミステンラボ)」の共同創業者であるアデニイ・アビオドゥン氏は、「USDsuiは、Suiのデジタル資産を世界の商取引やフィンテック分野と直接結びつける重要な橋渡しになる」と述べ、同通貨が単なるステーブルコインにとどまらず、Sui経済圏全体を支える基盤となることを強調した。

USDsuiの登場は、Suiネットワークの成長を加速させるとともに、ブロックチェーン上での金融機能を実社会へと拡張する試みとして期待されている。規制対応と実用性を両立する新たなステーブルコインが、今後のDeFi市場にもどのような影響を及ぼすかにも注目していきたい。

関連:ストライプ傘下ブリッジ社、ステーブルコイン発行基盤「Open Issuance」を公開
関連:Suiのミステンラボ、グーグルとAIエージェント決済プロトコル開発──次世代Web環境構築へ

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.0円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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