分散型取引所(DEX)StandX(スタンドエックス)が19日、ローンチからわずか1カ月で預かり総資産(TVL)が2億ドルを突破したと発表した。この急速な成長の背景には、同プロトコルが提供する独自設計のステーブルコイン「DUSD」の人気と、限定アクセス型のパーペチュアル取引環境「StandX Alpha」の注目度があると見られる。
ステーキング不要、DUSDの利回り設計も成長を牽引
StandXが提供する「DUSD」は単なるドル連動型資産ではない。従来のようなステーキングを必要とせず、保有しているだけで自動的に利回りを獲得できる仕組みが特徴だ。公式サイトのデータによると、すでに16万を超えるアドレスがDUSDをミントしており、総トランザクション数は42万件を突破しているという。
このDUSDは、現在開催している「StandX Alpha」の証拠金として用いられる。ユーザーはアルファ期間中、BNBチェーンをはじめとするネットワークからDUSDをパーペチュアルアカウントへ預け入れできる。この際、入金されたDUSDは同額のテスト通貨「tDUSD」に1:1の価値で変換される仕組みだ。なお、アルファ期間中に預け入れたDUSDは11月までロックされる仕様になっている。
特筆すべきは、アルファ期間中においても預け入れたDUSDの利回りが継続的に発生する点だ。累積された利回りは、パーペチュアル取引の正式ローンチ後に計算され、自身のアカウントに自動分配される。アルファ期間でありながらも、ユーザーは早くもトークン保有と取引からの効率的なリターンの追求が可能となっている。
StandX Alphaは現在、7月31日以前にウェイトリスト登録を完了したユーザーのみが参加対象だが、運営チームは今後追加の招待を進めていくとしている。重要な節目を達成したStandXが今後どのようにユーザー層と流動性を拡大させていくのか、パーペチュアルDEX市場での注目が集まっている。
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