ブロックチェーン技術を取り入れた地域活性の取り組みが、全国で少しずつ広がっています。「SSGホールディングス株式会社」は2025年7月、グループ会社の「Sun Sun House株式会社」と連携し、滋賀県長浜市の古民家を海外投資家向けに販売する不動産事業をスタートしました。NFT(非代替性トークン)や暗号資産(仮想通貨)「ARCS(ティッカー:ARX)」を活用し、日本の伝統建築が持つ文化的価値や魅力を再評価し、「次の100年へと繋ぐ」ことを目指すとしています。
SSGホールディングス株式会社とは?

SSGホールディングスは、2023年に設立された東京都千代田区に本社を構える企業です。主にブロックチェーンや仮想通貨を活用した資産形成支援や不動産関連の事業に取り組んでいます。
今回の事業では、グループ会社のSun Sun House株式会社が中心となり、古民家の仕入れからリノベーション、販売、運用管理までを一貫して担当。販売の主な拠点は、150カ国以上からの居住者が集まる国際的な金融ハブであるドバイに置かれ、多様なバックグラウンドを持つ海外の富裕層や投資家に直接アプローチを進めています。
滋賀県長浜市とは?

長浜市は滋賀県の北東部に位置し、琵琶湖に面した風情ある町です。戦国時代には豊臣秀吉ゆかりの地として知られ、歴史ある町並みや「黒壁スクエア」「竹生島」などの文化的スポットが人気を集めています。
こうした地域の魅力を支える一方で、古民家の空き家化といった課題もあり、文化的資産の活用と再生が求められています。
古民家再生とNFTを組み合わせた新事業

本事業は、滋賀県長浜市を皮切りに、日本各地に残る古民家を再生・活用していく構想のもとスタートしました。再生された古民家は、海外の投資家に向けて販売され、訪日時には別荘として利用できるほか、不在時には民泊施設として貸し出すことで収益化も可能です。自身の所有する古民家が「ホテル」代わりとなる、新しい滞在スタイルを提供します。
第一号物件となるのは、滋賀県長浜市にある「竹生優庵~長浜」。地元メディアでも取り上げられた歴史ある古民家で、現在は大規模なリノベーションが進められており、日本の伝統美と現代的な快適さを兼ね備えた空間として生まれ変わる予定です。
事業の仕組みとNFT・仮想通貨の活用

この古民家販売事業の特徴は、不動産の所有権や利用権をNFT化してブロックチェーン上で管理できる点にあります。NFTは、デジタル上で資産の唯一性を証明できる技術で、実物資産との組み合わせによって新たな価値流通を可能にします。
また、売買の決済には仮想通貨「ARCS(ティッカー:ARX)」が採用されています。ARCSはすでに複数の海外取引所に上場しており、海外投資家とのスムーズな取引を実現する手段として活用されています。
今後はARCS(ARX)のエアドロップ(暗号資産の無料配布)キャンペーンも予定されており、詳細は追って発表される見込みです。
今後の展開と可能性
SSGホールディングスは、年間数百棟規模で古民家の再生・販売を進めていく方針を示しています。この取り組みは、空き家問題や地域経済の活性化に寄与するだけでなく、訪日外国人観光客の宿泊需要にも対応するものです。
また、「一般社団法人全国古民家再生協会」と連携し、建築面や文化的価値にも配慮した高品質な再生を実現。伝統文化の継承と国際的な投資ニーズをつなぐ新しいモデルとして、今後の継続展開が予定されています。
おわりに
滋賀県長浜市の伝統的古民家を、NFTや仮想通貨といった最新技術で世界に発信する本事業は、伝統文化とテクノロジーを融合させた新たな不動産ビジネスのかたちといえます。地域の文化資源を守りながら、インバウンド対応や空き家対策にもつながる実践的な試みとして、今後の展開にも注目が集まっています。