モジュラー型オラクルネットワークを展開する「RedStone(レッドストーン)」は6日、「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」上の主要な改善提案「HIP-3」の専用データオラクル「HyperStone(ハイパーストーン)」を公開した。これは、オラクル技術とパーミッションレスな無期限先物市場を結びつける重要な進展となる。
オラクル依存の課題、レッドストーンが高信頼データ提供で解決へ
HIP-3は、無期限先物市場のパーミッションレスな構築を可能にする提案であり、ハイパーリキッドのオープン化を大きく前進させる仕組みだ。これにより、ハイパーリキッド上では暗号資産に限らず、株式やコモディティなどのトークン化資産、さらには現実世界のデータ(RWA)を基にしたデリバティブ市場の立ち上げが容易になった。
しかし、完全に自由な市場構築には、価格データの正確性をいかに担保するかという課題が伴う。市場の公正性と透明性を維持するためには、信頼できるオラクルによるデータ提供が不可欠となる。ハイパーストーンはこの課題を解決するための中核インフラとして設計されており、機関投資家レベルの信頼性を持つデータフィードを提供することで市場の透明性や安全性を確保する。
同社はハイパーストーンの公開に先立ち、60日以上にわたるテストネット環境での検証を実施。データの収集から処理、ブロックチェーンへの配信までの全工程が精査された。この期間中、ハイパーストーンはETH、BTC、テスラ株のテスト市場に対し1億300万回を超えるデータ更新を供給し、高頻度かつ正確な価格情報をリアルタイムで提供できる体制を整えた。
レッドストーン共同創業者のマルチン・カジミエルチャク氏は、「HIP-3は開発者に門番なしで市場を立ち上げる自由を与える。ハイパーストーンはその市場が高速で正確かつ安全に動作することを保証する」と述べた。
レッドストーンはハイパーリキッドの独自実行環境「HyperEVM(ハイパーEVM)」上でオラクルによって保護された資産価値の約99.5%をカバーするほか、ネイティブステーブルコイン「USDH」の公式価格フィード提供者としても機能している。こうした実績と信頼性の高さが、今回のHIP-3との統合における重要な支えとなっている。
ハイパーストーンの公開により、ハイパーリキッドはより開かれた市場形成を実現し、レッドストーンは分散型金融におけるデータインフラの信頼性を一段と高めた。自由と安全性の両立を支えるこの連携は、次世代無期限先物市場の発展における重要な一歩となるだろう。
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