暗号資産メディアのDecryptが21日に報じたところによると、分散型予測市場の週間取引高が過去最高の20億ドル(約3,060億円)を突破した。デューン・アナリティクスのデータを基にした分析で、ポリマーケットが競合のカルシを抜き返し、再びトップの座を奪還したことが明らかになった。
ポリマーケットが10億ドル、カルシが9.5億ドル
10月13日から始まった週の分散型予測市場全体の取引高は20億ドルを超え、取引件数は660万件に達した。プラットフォーム別では、ポリマーケットが10億ドルでトップ、カルシが9.5億ドルで僅差の2位となった。
カルシは過去8週間にわたりポリマーケットを取引高で上回っていたが、11月の米国選挙を前にポリマーケットが米国ベータ版アプリのテスト開始から1週間でトップの座を奪還した形だ。
一方、リミットレスは取引高を4倍に拡大し2,190万ドルに到達。ミリアドは380万ドルの週間取引高を記録した。
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政治カテゴリーが急伸、スポーツ市場が依然トップ
カテゴリー別の取引高では、スポーツ市場が4億1,470万ドルで首位を維持。政治市場は3億2,260万ドルで、ここ数週間で急速に勢いを増している。
分散型予測市場業界全体は昨年11月、ドナルド・トランプ米大統領の再選時に週間取引高20億ドルに迫る水準に達していた。当時はポリマーケットが12億ドル、カルシが7億4,900万ドル、リミットレスが520万ドルだった。今回は各プラットフォームの市場シェアがより均衡している点が特徴だ。
規制緩和と企業評価額の急上昇
分散型予測市場業界は米国での規制環境の緩和から恩恵を受けている。ポリマーケットとカルシは今年、商品先物取引委員会(CFTC)から「ノーアクション・レター」を取得。カルシは5月、ポリマーケットは9月に連邦規制当局からの執行措置の脅威なしに米国ユーザーへのサービス提供が認められた。
カルシは今月初め、シリーズDラウンドで3億ドルの資金調達を完了し、企業評価額が50億ドルに到達。リード投資家はベンチャーキャピタル大手のa16zとセコイアで、暗号資産取引所コインベースも出資者として参加した。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.87円)




