ポリゴンラボは29日、DCS(旧ダイナースクラブ・シンガポール)が提供する次世代カードプラットフォーム「DeCard(デカード)」が、ポリゴンPoSネットワークへの対応を開始したことを発表した。
1.5億加盟店でUSDC・USDT0決済を実現
この統合により、DeCardおよびDeCardルミナリーズアカウントのユーザーは、ポリゴンPoSネットワーク上でUSDCおよびUSDT0(※オムニチェーン対応版USDT)を直接アカウントに入金できるようになる。ユーザーは世界1億5,000万以上の加盟店で、保有するステーブルコインを即座に支払いに利用可能だ。
ポリゴンラボは、これを「これまでで最大のステーブルコイン実用化の一つ」と位置づけ、この取り組みが「デジタルドルと現実世界の決済という、成長する2つの金融フロンティアを結びつける」ものだとしている。
また、ポリゴンラボは、現在のステーブルコインの利活用が、カードのタップやQRコードのスキャンといった日常的な利便性からかけ離れた、取引やオンチェーン送金に限定されている点を指摘。DeCardが決済ネットワークとしてポリゴンPoSを選択した理由は、その「取引の速度、低コスト、信頼性」にあると説明している。
ポリゴンラボによると、ポリゴンPoSネットワークは、ストライプやレボリュートといった大手企業にも採用されており、以下のような特徴を持つ。
- 低コストな取引:取引手数料は平均約0.001ドルと、少額決済にも対応可能。
- ほぼ瞬時の決済:5秒未満でファイナリティ(取引完了)に到達する。
- 高い信頼性:エンタープライズレベルの利用実績がある。
そして今回の統合により、ユーザーはブリッジやガス代の高騰を気にすることなく、「カード決済と同じ感覚でステーブルコインを利用できるようになる」とした。
ポリゴンラボは、「ステーブルコインは、伝統的金融とオンチェーン経済の間の結合組織になりつつある」と述べ、「ポリゴンが実行レイヤー、DeCardがインターフェースとして機能する」ことで、ユーザーがブロックチェーンエコシステムから離れることなく、デジタルドルを世界中で利用できる体験を創造するとしている。
ステーブルコインを通じて、暗号資産(仮想通貨)エコシステムと、現実の金融サービスの統合は着実に進んでいるようだ。
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