暗号資産(仮想通貨)取引所大手のOKXは7日、ステーブルコインUSDC発行元のサークル、Web3企業のリップル、ヘッジファンドのQRT、英大手銀行スタンダード・チャータード傘下のSCベンチャーズの4社から戦略的資金調達を完了した。今回の出資前の企業評価額は250億ドル(約3.95兆円)で、調達額は明らかにしていない。
出資4社はすでにOKXの金融インフラを構成
同社によると、今回の調達はニューヨーク証券取引所の親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)が主導した3月の出資ラウンドを延長したものだという。
新たに出資した4社は、すでにOKX上で金融インフラの一部を担っているパートナー企業だ。サークルとは世界最大規模の規制準拠ステーブルコイン「USDC」の展開で連携し、QRTは機関投資家としてOKXへ大規模な流動性を提供するほか、新商品の立ち上げなどでも協力している。
また、リップルは決済やステーブルコインの基盤技術を提供するほか、同社のステーブルコイン「RLUSD」がすでにOKXの統合オーダーブックで取り扱われている。SCベンチャーズの親会社であるスタンダードチャータードは、ブラックロックのトークン化米国債ファンド「BUIDL」の資産保管を担う。同ファンドは、OKXブラックロックが提携して構築した取引担保システムの中核となっている。
現実資産のトークン化とプラットフォームの進化
OKXの創業者兼CEO(最高経営責任者)であるスター・シュー氏は、同社のビジョンを「保有し、支払い、投資し、成長させること」だと説明。暗号資産の技術と伝統金融の基準を融合させ、次世代の金融テクノロジープラットフォームを構築する考えだ。
同氏はさらに、今回の調達資金を活用してRWA(現実資産)のトークン化を推進していく方針を示した。出資元のサークルを率いるジェレミー・アレールCEOは、今回の出資が次世代の市場インフラの方向性を示すシグナルであるとの見解を表明している。
リップルでステーブルコイン部門のシニアバイスプレジデントを務めるジャック・マクドナルド氏は、ステーブルコインが世界的な金融インフラの中核になりつつあると指摘。OKXのような基盤がその移行において重要な役割を果たすとの見方を示した。
今回の大型調達は、OKXが単なる暗号資産取引所から伝統金融とオンチェーン市場を繋ぐ総合インフラへ脱皮する意思表示とみられる。ステーブルコインや資産保管を担う企業が単なる提携にとどまらず自ら出資に踏み込んだことは、機関投資家の資金流入を後押しする呼び水となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.1円)


