オープンソースのAIを開発する米Nous Research(ヌース・リサーチ)は米国時間7日、9,000万ドル(約142億円)を調達したと公式ブログで発表した。エヌビディアやマイクロソフトのベンチャー部門M12、サムスンなどが出資した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、評価額は15億ドル(約2,372億円)である。
ヌース・リサーチの調達、資金は企業向けAIエージェントに
ディロン・ロルニックCEOが公式ブログで明らかにした出資者は、エヌビディア、M12、サムスン、ロボット・ベンチャーズ、ユニオン・スクエア・ベンチャーズ、Yコンビネーター、メンロー・ベンチャーズなどである。同社は評価額を公表していない。
同社は公式Xで、今回の調達がシリーズBであると明らかにした。WSJは独自の報道で、このラウンドをロボット・ベンチャーズが主導したと伝えている。
資金は、同社のAIエージェント「ヘルメス・エージェント(Hermes Agent)」の企業向け版「Hermes for Businesses」の開発と提供に充てる。企業が目的と価格に応じてAIモデルを選び、AIの利用を非公開のまま拡大できるようにするとしている。
ヘルメス・エージェントは2月にMITライセンスで公開された。同社によると、これまでに2,400万回以上クローンされ、社内の推計では世界のトークン使用量の約2.5%を占める。
ロルニックCEOは、9,000万ドルは現代の資金調達では控えめな額だとしたうえで、同社は常に少ない資源でより多くの成果を出してきたと述べた。
ヌース・リサーチ、ソラナで分散型AI学習ネットワーク「プシュケ」を運営
ヌース・リサーチは、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(
SOL)のブロックチェーンを使った分散型のAI学習ネットワーク「プシュケ(Psyche)」を開発している。世界各地のGPUをインターネット経由でつなぎ、1つのAIモデルを共同で学習させる仕組みだ。
同社のブログによると、プシュケでは、学習の進行を管理する合意の状態をソラナ上のスマートコントラクトで管理し、学習データのやり取りは独自のP2Pネットワークで行う。取引の記録は、ソラナのブロックエクスプローラーで誰でも確認できるとしている。
テストネットの段階では、暗号技術を使ったインセンティブの仕組みで、GPUの所有者に計算資源の提供を促すとしていた。
同社は、プシュケで学習した400億パラメータのモデル「Consilience」について、インターネット経由の分散型の事前学習として過去最大だったとしている。言語モデル「Hermes 4.3」は、プシュケだけで事後学習した初めての製品版のモデルで、24のノードで学習したという。
2025年4月には、暗号資産に特化したベンチャーキャピタルのパラダイムが主導するシリーズAで5,000万ドル(約79億円)を調達した。米フォーチュン誌は当時、この調達でヌース・リサーチの未発行のトークンが10億ドル(約1,581億円)と評価されたと報じていた。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.10円)


