米プロフットボールリーグのNFLは8日、予測市場を運営するカルシと米ニュージャージー州の訴訟をめぐり、米最高裁に意見書を提出した。予測市場のスポーツ関連取引は実質的に賭博であり、州の規制が及ぶべきだと主張。速やかな上告受理を求めた。
試合の不正操作リスクと利用者保護の不備を指摘
NFLは意見書で、予測市場では試合の不正操作を防ぐ対策が不十分だと指摘した。選手がフィールドゴールを外すかどうかや反則の回数など、選手や審判らが結果を操作しやすい取引の禁止を米商品先物取引委員会(CFTC)や運営会社に求めてきたが、受け入れられていないという。
州の多くがスポーツ賭博を21歳以上に限定する一方、予測市場では18歳から取引できることも問題視している。
監督体制にも懸念を示した。ネバダ州やペンシルベニア州の賭博当局はそれぞれ約400人の職員を抱える一方、CFTCはわずか543人で全米の幅広いデリバティブ市場を監督しているという。
NFLは、十分な規制がないまま取引が拡大すれば、利用者の被害や試合の不正操作につながりかねないとして、最高裁に速やかな上告受理を求めた。
スポーツ予測市場の急拡大が懸念の背景に
こうしたNFLの懸念の背景には、予測市場におけるスポーツ関連取引の急拡大がある。米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、大手のカルシとポリマーケットの月間取引高の合計は、5月の260億ドル(約4兆1,000億円)から7月には530億ドル(約8兆4,000億円)へと2倍超に拡大した。両社とも、スポーツ関連の取引が最大の割合を占めている。

NFLによると、今季開幕後最初の日曜日には、予測市場全体の取引高33億ドル(約5,200億円)のうち、NFL関連の取引が18億ドル(約2,800億円)を占めた。
スポーツ関連取引をめぐり控訴審の判断分かれる
カルシは、スポーツ関連取引が連邦法上の「スワップ」にあたり、CFTCの独占的な管轄下にあるため、年齢制限などを定めた州の賭博法は適用されないと主張している。
この争点をめぐり、控訴審の判断は割れている。第3巡回区控訴裁判所は4月、カルシの主張を認め、ニュージャージー州は9月2日に最高裁へ上告した。一方、第9巡回区は8月28日、第6巡回区は9月25日に、スワップには該当しないと判断。NFLも実質的に賭博だとして、第6・第9巡回区の判断を支持している。
NFLの意見書提出に先立つ今月7日、オハイオ州など39州とワシントンDCもニュージャージー州を支持する意見書を最高裁に提出し、CFTCの独占的な規制権限を認めれば各州の賭博規制や消費者保護制度が損なわれると訴えた。CFTCも予測市場側の主張を支持し、少なくとも9州を提訴するなど、規制権限をめぐる州との対立が続いている。
同じ法的争点をめぐっては、予測市場OG.comの運営会社も8月28日にネバダ州との訴訟で第9巡回区に敗れ、9月11日に最高裁へ上告した。
両事件とも最高裁での上告受理は未決定となっている。反論書の提出期限は、カルシの訴訟が11月9日、OG.comの訴訟が同16日だ。
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