米イリノイ州北部地区連邦検事局は米国時間7日、ミームコイン「Kishu Inu(キシュウイヌ)」(
kishu-inu)の創設者アレクサンダー・シズモア被告(28)を、電信詐欺3件の罪で起訴したと発表した。投資家に虚偽の説明をしながら、ひそかに自らに割り当てたトークンを売る「ラグプル」で、約900万ドル(約14億円)の利益を得たとされる。
キシュウイヌ創設者、SNSで虚偽の説明をしたとされる
同検事局によると、キシュウイヌは2021年に発行され、その後、時価総額が16億ドル(約2,525億円)を超えた。シズモア被告は「Kishu man」「Kimbo」とも名乗っていた。
シカゴの連邦地裁で6日に出された起訴状は、被告らがキシュウイヌの流動性を保ち、価格を押し上げるため、投資家に重大な虚偽の説明をしたとしている。その一方で、トークンの発行時にひそかに自分たちに割り当てていた大量のキシュウイヌを、隠れて売却していたという。
電信詐欺の罪は、それぞれ最高で禁錮20年が科される可能性がある。罪状認否の日程は決まっていない。同検事局は、起訴は有罪の証拠ではなく、被告は裁判で有罪が証明されるまで無罪と推定されるとしている。
米連邦捜査局(FBI)シカゴ支局は、キシュウイヌに投資した人を特定するため、オンラインで情報提供を受け付けている。
キシュウイヌの起訴状、発行直後に総供給量の約12%を創設者2人へ
全13ページの起訴状によると、キシュウイヌは2021年4月にイーサリアム上で10京枚が作られ、17日ごろにシズモア被告と、もう1人の創設者で初期の開発者とされる「Individual A」が受け取った。
一般への販売の前に、Individual Aは総供給量の約6%をシズモア被告の4つのウォレットへ、別の約6%を自らの4つのウォレットへ移したという。
被告らは、ウェブサイトやホワイトペーパー、SNSで、次のような説明をしていたとされる。
- キシュウイヌは「フェアローンチ」で、開発チームに割り当てたトークンはない
- 創設者と開発者が持つのは、トークンの1.7%だけ
- 大口の保有者は、割り当てではなく「プライベートセール」で入手した
- 創設者と開発者はトークンを売らずに持ち続けており、ラグプルではない
起訴状は、シズモア被告が2021年5月28日ごろ、テレグラムとレディットの投資家向けのグループに、開発者はトークンを購入しており、保有は1.7%だけでラグプルではないと投稿したとしている。
売却による利益は、シズモア被告が約900万ドル、Individual Aが約80万ドル(約1.3億円)だったという。2人は複数のウォレットやミキサーを使い、利益を得ていることを隠そうとしたとされる。起訴された3件の取引は、いずれも暗号資産取引所Gate.ioの被告の口座での売却だ。
| 罪状 | 日付(2021年) | 売却したキシュウイヌ | 受け取ったUSDT |
|---|---|---|---|
| 1件目 | 10月27日ごろ | 約4.7兆枚 | 3万9,308 USDT(約620万円) |
| 2件目 | 10月13日ごろ | 約1.1兆枚 | 2,210 USDT(約35万円) |
| 3件目 | 11月6日ごろ | 約3.2兆枚 | 2万1,398 USDT(約338万円) |
検察は、有罪となった場合、被告のクリプト・ドット・コムの口座と2つのイーサリアムのウォレットにある資産などの没収を求めるとしている。
キシュウイヌの時価総額は9日13時57分(日本時間)時点で約732万ドル(約11.6億円)だった。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.81円)
